伝統、創作28団体出演/あすクイチャーフェスティバル
「先人の魂伝える」/下地実行委員長
第9回クイチャーフェスティバル2010(主催・同実行委員会)が7日午後4時から、カママ嶺公園多目的広場で開催される。今年は「伝統」に12団体、「創作」に16団体が出演。「方言替え歌」や「その他の芸能」を合わせると過去最多の1500人余が集う。来年は10回の節目を迎える。実行委では、今年の祭りを全国の郷友会などとの新たなネットワーク作りやクイチャーサポーターの構築を図り、故郷に対する思いを深め合うきっかけにしたいと意気込んでいる。実行委員長を務める下地暁さんに、祭りに向けての思いを聞いた。
今回のクイチャーフェスティバルの特徴、見どころは-
伝統の比嘉のクイチャーが初参加する。クイチャーは各地域で踊り方や身振り手振りも違う。その違いなども見てほしい。
一堂に会して見られるのはこのフェスティバルしかない。年々、演舞力もつけてきているので、良い意味で見比べて楽しんでほしい。
方言替え歌で前回はデモンストレーションとして実行委のメンバーなどが演じたが、今回は一般公募の出場者が出る。クイチャー共々宮古の言葉という一つの文化も発信できればと思う。
年々、盛り上がりを見せている理由は-
言葉(方言)も地域の文化として認められ、クイチャーも皆が注目してきている。自分の古里や地域に対する誇りの表れではないか。
自分の両親や祖父母を大事に思うのと同様に地域を大切にしていこうという思いが芽生えてきている。
島に昔からあったものを掘り起こし、大切に守り育て、次世代に伝えていかないと、地域が地域でなくなってしまう。
そのことに気付いて、発表という目標を持って誇りを持って伝統文化に取り組んでいることもあると思う。
来年は10回目を迎えるが、今後どのように展開したいか-
10回目になるんだというのが実感。取り組み始めてからは年になる。節目の大会になるので、9回につなげるために今度の9回を大切にしたい。民間でもやればできるという思いを持ってやってきたので、感慨深いものはある。
宮古島はスポーツアイランド、エコアイランドであるが文化の島でもある。全国の郷友とも連携を取りながら、皆さんに年に1回は島に来てもらって、クイチャーの、文化の祭典ができたらいいと思う。
クイチャーは資料が少ないので、学術的な資料が活字でも残せるような体制も作り、いずれはクイチャー広場や資料館のようなものを作るのが夢。
暁さんにとってクイチャーとは-
命そのもので宮古だと思う。島が島であり続けるためにはそれぞれの地域固有の言葉、方言を含む文化を掘り起こし育て伝えて行く。これを使命感として取り組んでいる。
フェスティバルを通してクイチャーも、方言と同じように、多種多様なのだということは自分にとっては新しい発見だった。クイチャーの中に生きている先人の魂を伝えるための手段でもある。
クイチャーフェスティバルは、地域における伝統文化の発展や観光イベントとして貢献していることが認められ、2006年度「島おこし奨励賞」を受賞。07年には地域の個性を生かしたユニークなイベントのうち、特に優れたものを表彰する「第11回ふるさとイベント大賞」の奨励賞にも輝いた。
今年のサブタイトルは「ずならどぅ ずなら」。荷川取のクイチャーの歌詞などにあるフレーズで、「土煙が上がるほど大地を踏みならし、その土煙が空に舞い上がって雲となり、実りある豊年雨を降らそう」という意がある。