ネズミ駆除で予防を/ツツガムシ病
県と市 池間島で住民説明会
昨年6月にツツガムシ病の患者が発生した池間島で県と宮古島市による住民説明会が21日、池間公民館で行われた。ツツガムシ病の特徴や感染経路などの説明のほか、池間島でツツガムシが増殖している原因となっているネズミ駆除の重要性を住民に訴えた。また、参加した住民にネズミ駆除の毒餌箱の配布も行われた。
宮古福祉保健所の高江洲均所長はあいさつで「ツツガムシ病については効果的な薬があるのでそんなに心配しないで良いが、早期発見と早期治療が大切。畑や野山などダニの生息地に立ち入った場合、帰宅後は入浴し、体に付着したツツガムシ、ダニ類を落とすことを心掛けてほしい」と呼び掛けた。
福井大学シニアフェローの高田伸弘博士も「池間島には宮古本島よりもかなり多いツツガムシが生息している。その原因は池間島には宮古本島よりも多い家ネズミが影響している」と説明。
高田博士は「まずは家ネズミを駆除することが大切。そのためにも住民の協力を得てデータを集め池間島の状況を把握することが大切」と述べた
ツツガムシはダニの一種。体長は0・2~0・3㍉と非常に小さく、体や衣類などに付着しても見逃してしまう。
ツツガムシ病は、ツツガムシやマダニ類に刺されればかならず感染するわけではなく、リケッチア(細菌の一種)を保有した個体が吸血するときに人に感染する。刺されてもかゆみや痛みがなく、いつ刺されたのか分からないという。
刺されてから10日から2週間後くらいにけん怠感や頭痛、発熱などの症状が出た場合はすぐに医療機関の受診を呼び掛けている。
予防方法としては、山林、原野、畑などに行く場合は長袖、長ズボン、長靴などを着用するよう注意を喚起。帰宅した後はすぐにシャワーに入ったり、衣類の洗濯をしたりなどの予防対策が必要だとしている。患者と接触しても症状がうつることはない。
国内では北海道を除く全都府県から患者が報告されている。ここ数年は年間300~400人の患者が報告されている。
ツツガムシは、宮古島を含む県内にはもともといない虫で、外部から何らかの形で進入したとみられている。