貝や海ブドウ再生に意欲/ラムサール条約
与那覇湾登録で下地市長
下地敏彦市長は15日、市役所平良庁舎で記者会見し、与那覇湾の「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(ラムサール条約)湿地登録認定証を交付されたと報告した。下地市長は「海と陸、サンゴ礁域を含む宮古島全域をしっかりと保全しなければいけないということを認識した。豊かな自然を守っていくというアピールになる」と述べた。認定を受けたことで漁業利用には制限はないとし、砂地に住む二枚貝や海ブドウの再生に向けた取り組みに意欲を示した。
認定証交付はルーマニアのブカレストで、今月6~13日まで開催されたラムサール条約締約国会議(COP11)の会期中に同条約事務局から関係自治体に授与された。
日本からは与那覇湾を含む9カ所が認定を受けた。
会見で下地市長は①与那覇湾は野鳥が周年を通して餌をついばみ休憩する場所であり、渡りの中継地としても重要な拠点②魚介類や海草類が豊富。地元の人たちも海の幸を採取する場として活用している③海浜を利用するサニツ浜カーニバルが開催され、市民のレクリエーションの場となっている-を挙げ、「ラムサール条約にうたっている条件を十分に満たしている」と説明した。
その上で下地市長は「湿原には多種多様な生物が集まる。その湿原を保全することがひいては地球全体の環境保全につながる」とラムサール条約の意義を強調。「その多様性を保存するためには、生態系の頂点にある人間がしっかりとした意識を持って保全に努めていく必要がある」と語った。
さらに「保全するだけでなく、それを賢く使うということも合わせて考えなければいけない」とし、野鳥観察施設の設置、かつて採取された貝や海ブドウの再生に取り組んでいく考えを示した。
会見には、交付式に参加した市農林水産部の上地廣敏部長が同席した。