「希望の形」を共有/純と愛最終回を見る会
ラストシーンに涙も/市民300人、「愛」と交流
朝のNHK連続テレビ小説「純と愛」の最終回放送を見る会が30日、北小学校体育館で開かれた。会場には約300人が詰め掛けて大画面で視聴。感動のラストシーンに引き込まれながら最終回に込められた「希望の形」を共有した。ヒロイン・純の夫で愛役を務めた風間俊介さんらも来場して市民と交流。「これからも宮古島に来ます。そのときは、『愛』と呼んでほしい」と笑顔で話した。
純と愛は昨年10月1日に放送を開始。宮古島市と大阪大正区を舞台に、無鉄砲ながら正義感の強い純と、不思議な能力を持つ青年・愛を中心に繰り広げられる笑いあり、涙ありの物語だ。
最終回を見る会は、純と愛宮古島市推進協議会が主催。観光客も多数訪れ、地元市民とともに会場を埋め尽くした。放送が始まると静まり返って視聴し、感動を共有した。
愛が目を覚まさない現実を前に、純が城辺東平安名崎で「私たちは未来を変えることができる。奇跡を起こすのは神様じゃなくて私たち人間なんだから」と決意するシーンに視聴者はくぎ付け。中には涙ぐむ視聴者もおり、それぞれが半年間の放送を回想しながら物語の結末に見入った。
放送後にあいさつした愛役の風間さんは「これが僕らが示した希望の形。中には愛が目をぱちっと開けて話せばいいと思う人もいるかもしれないけど、本当に脳梗塞や脳腫瘍で倒れている人がいるのに、キスしたら目覚めるということを簡単にしてしまうことの恐ろしさがあった」と話した。
その上で「僕らは一貫してそういう人たちが立ち上がるための希望とは何かということを一生懸命考えてきた」と続けた。
また、「沖縄にはつらい歴史があり、今もつらいことがある。悲しみを乗り越えて、悲しみを抱えつつ笑う人の笑顔は重い」と思いを寄せ、「沖縄の人々の笑顔を重ねて物語をつくってきました。純と愛は永遠に宮古島にいるのでよろしくお願いします」と話した。
動画でメッセージを寄せた純役の夏菜さんは、宮古島の印象について「こんなに海がきれいで、こんなに星が見えるところがあるのかと思った。そして気温よりも人が温かかった。この宮古島は純にとっても、夏菜にとっても古里。これからもずっとずっと大切な古里です」と話し、会場の宮古島市民に感謝した。
この後は、質問タイムが設けられ、風間さんやチーフプロデューサーの山本敏彦さんが宮古島の印象や撮影秘話を紹介しながら市民と和やかに交流。出演者と視聴者が、それぞれの「純と愛」を語り続けた。