巨大クレーン船下崎に接岸
伊良部大橋主航路部の鉄製箱桁の架設に使う巨大クレーン船が30日昼頃、平良港下崎埠頭に接岸した。架設作業は16~20日の間に波と風の穏やかな日を見計らって行う。同船が宮古にお目見えするのは、約1年ぶり。下崎埠頭には31日、巨大船を一目見ようと家族連れらが次々と訪れた。
クレーン船は、寄神建設(本社・兵庫県神戸市)の「洋翔」。全長120㍍、幅44㍍。アームの長さは146㍍と長い。4000㌧をつり上げる能力がある。
主航路部は多良間島に行くフェリーなどが通る長山
水路の上に、弓形に架かる。同所での鉄製箱桁設置工事は昨年4月下旬に始まり、伊良部側(140㍍)と平良側(同)は終了。中央箱桁の設置も、同時期を予定していたが、同船が台風を避けて兵庫に戻ったため、1年近く滞っていた。
下崎埠頭に仮置きされている中央部箱桁の長さは140㍍。本体の重さは1570㌧で、空洞部に収める地下ダムの導水管や上水道菅を合わせると約2000㌧。巨大箱桁では「洋翔」の到着を待って、設置準備作業が始まった。
伊良部大橋は、宮古島と伊良部島間を結ぶ長さ3540㍍の海上橋。総事業費(約380億円)ベースの進ちょく率は89%(今年3月末見込み)に達した。クレーン船を使えなかったために工期が1年近く遅れた。完成は2015年1月を目指す。
箱桁 道路部分となる橋の上部工。軽くするために、空洞を設け箱の形にしている。