「恵みの雨」農家安堵/台風12号
城辺で119・5㍉、干ばつ解消/瞬間最大風速27・3㍍観測
宮古島地方は21日、台風12号の影響で空と海のダイヤが乱れた。一方、台風は恵みの雨をもたらし、宮古全域の干ばつを解消した。農家は「値千金の雨。暴風の被害はほとんどない」と天の恵みを喜んでいる。
宮古島地方は午前5時ごろ風速25㍍以上の暴風域に入り、同8時ごろ抜けた。宮古島地方気象台(平良下里)での瞬間最大風速は、午前7時48分に南の風27・3㍍を観測した。同台風は勢力を弱めながら、西に進んでいる。
台風12号に伴う21日の雨は、明け方から本格的に降り始めた。降水量が少なくキビに被害が目立っていた城辺の降水量は、119・5㍉。午前6時59分までの1時間には、47・0㍉の激しい雨が降った。一部の畑では水たまりも。城辺同様かんかん照りが続いた下地や上野でも、まとまった雨が降った。
平良下里の降水量は54・0㍉、下地島86・0㍉、多良間仲筋が64・0㍉。台風の被害状況をまとめる県は「農作物への被害は、(22日の時点では)報告されていない。むしろ恵みをもたらす台風だった」とみている。
22日午後6時までの各地の降水量は平良下里18・0㍉、城辺12・5㍉、下地島51・5㍉、多良間仲筋で15・1㍉だった。
宮古島では7月12日の台風7号の雨以降、約1カ月少雨傾向が続いた。スプリンクラーの整った畑のキビは、順調に生育しているものの、ない所では枯れそうなキビが見られた。
株出は成長が止まり、低反収が確実視される畑が随所に見られる。夏植は、平年作並みに回復すると見る向きも多い。
宮古土地改良区によると、スプリンクラーの稼働は、一段落した。フル稼働していた7月27日に23万3000㌧もあった水使用量は、21日には8000㌧に激減した。