先人の歩みに思い馳せる/郷土史研究会
人頭税関係史跡めぐり/市文化祭行事の一環
宮古郷土史研究会(下地和宏会長)は13日、「人頭税関係史跡めぐり-人頭税廃止110周年-」を実施した。参加者約30人は、先人の歩んだ歴史に改めて思いを馳せていた。宮古高校放送部の女子生徒3人が、テレビドキュメンタリー制作で同行した。同研究会主管の史跡めぐりは、第8回宮古島市民総合文化祭(郷土史部門)一般の部の一環で実施された。
諸史跡のうち、久松地区では、同研究会の下地利幸さんが講師を務め、甘藷(イモ)の神を祭っている大座御嶽について説明した。
文献史料の甘藷伝来によると、1594年に長間立砂川親雲上旨屋と河充氏真逸は、沖縄本島の中山での公事を終えて帰帆した。途中洋上で難風に遭い、唐(中国)へ漂着した。
それから3年後の1597年に帰途の際に大和へ漂着して帰島した。この時唐よりの甘藷を持ち帰り島中に流布した。
甘藷伝来の功労者の一人が、久松の野崎村「大座がーら」は旨屋と真逸と一緒に上国し、同じ漂着を経て帰帆した。大座がーらは、持ち帰った甘藷を野崎村に試植した。その試植の成績は極めて良好で、これを全島に広めたとされる。
17世紀に公租の制度が定められた以来、甘藷は島民の常食として大きな役割を果たしたとされている。
同放送部副部長の平良麗さん(2年)は「現場の生の声を聞いてだいぶ収穫があった。特に講師の説明が分かりやすかった」と話し、参加者らと史跡を撮影していた。