双眼鏡でサシバ観察/宮古野鳥の会主催
親子連れら30人参加
宮古野鳥の会(仲地邦博会長)は14日、久松漁港多目的広場でサシバ市民観察会を開催した。観察会には約30人の市民が訪れ、望遠鏡や双眼鏡などでサシバの飛来の様子を観察したほか、同会によるサシバの越冬や生態についての説明に聞き入った。同会では、今月8日~22日までを観察期間としている。
参加者に対して仲地会長は「13日に伊良部で正午から午後6時までの間に2万1000羽を確認した。渡りの数が減少している中で1日で2万羽を確認できたことに驚いているし、私自身が初めての経験。1日の確認数で見ても宮古では何十年ぶりだと思う」と話した。
同会によると、観測がスタートした8日から10日までは観測数ゼロだったが11、12日ごろから確認され始め13日に伊良部で数十年ぶりの2万羽超えの確認となった。
一気に2万羽を超える大量のサシバの渡りが確認されたことについて、仲地会長は「最近の台風で足止めされていたサシバが一気に訪れて確認されたかもしれない。地元の伊良部の人たちからも『最近、これだけの数を見たことない』との電話も数件受けた」と話した。また、観察会では同会が準備したサシバの生態や飛来数の年次推移を示すパネルを使って仲地会長がサシバについて説明した。
参加した親子連れらは、絶滅危惧種にも指定されているサシバの生態についての話に興味津々の様子で聞き入っていた。
仲地会長によると、1980年代は5万羽を超えていた確認数も年々減少し、最近の10年では3万羽を超える確認は1度だけでほとんどが1万羽台で推移し昨年はさらに落ち込み8600羽だった。
今年は13日現在ですでに2万5000羽を確認しており、5年ぶりの3万羽超えが期待されている。