水使用量は1647万㌧/地下ダム1~9月
干ばつで昨年1年分上回る
夏場に干ばつが続いた今年の1月から9月まで9カ月間の地下ダムの水(農業用水)使用量は1647万㌧と、昨年1年間の1207万㌧をすでに440万㌧上回ったことが、宮古土地改良区のまとめで分かった。昨年同時期の1009万㌧よりも638万㌧(63%)多い。1年間の過去最高だった2009年の1533万㌧をも更新した。サトウキビの塩害や干ばつ被害解消のためスプリンクラーがフル稼働した。
塩害は7月12日の台風7号の接近の際発生し、水使用量が急増。これに干ばつが追い打ちを掛けた。
月別の使用量は7月が562万㌧と最も多く、月平均183万㌧の3倍だった。地下ダムの水の揚水などに使った7月の電気料金は5000万円と、平均的な年間料金1億5000万円の3分の1に上った。
干ばつは8月22日に台風12号が恵みの雨をもたらし、解消した。同時点の貯水率は砂川地下ダムが54%、福里地下ダムが74%。雨はその後、現在まで2カ月の間に300㍉降ったが貯水率は砂川56%、福里76%といずれも2%しか増えていない。
宮古土地改良区の石嶺明男事務局長は「地下ダムの水は、使いながらの回復になるのでその進行は遅い。来年梅雨明けまでに1200㍉程度の雨がほしい。今後雨が少なく、干ばつが発生した場合は、対応が厳しくなる」と述べ、限りある地下水の適正利用を呼び掛けた。
土地改良区は、干ばつ時のサトウキビへのかん水は週に1回、10㌃当たり90㌧を目安に示す。かん水ローテーションは、畑ごとに曜日を定めているが、これを守らない農家が多く、過剰使用は水圧低下を招いた。
土地改良区は8月1~15日まで夜間断水を実施。散水曜日や散水時間を守らないケースには強制的に、かんがいを停止する措置を取り、その件数は約150件に上った。