琉球文化生かしケアを/看護大宮古島教室
高齢者ケア研記念講演
沖縄高齢者ケア研究会記念講演(主催・県立看護大学)が30日、同大学と同大宮古島教室(県立宮古病院内)をインターネットで結び、同大学の野口美和子元学長を講師に迎えて行われた。宮古島教室には看護師や高齢者介護に携わる関係者ら約10人が参加し、高齢者介護の現状などについて学んだ。同講演は沖縄高齢者研究会設立を記念して「豊かな琉球文化としての高齢者ケア発見」と題して行われた。
野口さんは高齢者ケアの現状について「高度の物質文明や少子高齢化、全国一律の合理化による福祉ケアの硬直化、科学の発達による医療の専門分化など本来あった家族や地域の高齢者ケアが忘れ去られつつある」と指摘した。
さらに「沖縄ではグローバル化しても、家族や地域、祖先との結びつきが残されている沖縄の人間性豊かな文化に立脚した、高齢者ケアができる」と述べた。
同研究会は、沖縄が1972年に本土復帰し、新たな生活の「物差し」が導入され、これまでに多くの豊かさを得た。この豊かさの陰で、共に支え合って生きることの大切さが色あせてきている。高齢者が生き抜いてきた歴史と、地域文化に関心を寄せ、当事者から学ぶことが高齢者ケアの原点との立場からこの研究会が設立された。