国名勝地の範囲拡大
東平安名崎と八重干瀬/文化庁が追加指定
文化庁の文化審議会(宮田亮平会長)は20日、史跡名勝天然記念物の新指定14件、追加指定22件、登録記念物新登録6件、重要文化的景観1件の計43件について、下村博文文部科学大臣に答申した。このうち県内では東平安名崎(2007年2月・国名勝に指定)と八重干瀬(13年3月・国名勝および天然記念物に指定)の2カ所を指定範囲を広げて追加指定した。
また、県内では「ティンダバナ」(与那国町)を国指定名勝に新指定した。宮古の国指定名勝地は下地島の通り池(06年7月・国指定名勝に指定)を含め3件、今回の答申を受け県内の国指定史跡名勝天然記念物件数は計101件となった。
東平安名崎は07年の指定以降、11年にその指定面積を広げて追加指定されている。今回は指定範囲の対象外となっていた岬の突端に所在する灯台のある場所を指定対象とした。東海岸側の東平安名崎の根本から眺める細く突き出た岬と灯台は風光明媚で宮古を代表する景勝地となっている。
また、八重干瀬は13年に名勝および天然記念物に指定されているが、今回の追加指定では、フデ岩並びにその周辺海域が追加指定の対象となった。宮古島固有の生活文化と深いつながりをもって親しまれてきた場所であり、サンゴ礁の海浜景観で風致景観上、学術上の価値とフデ岩にまつわる航海安全祈願の風習に伴う姉弟神の伝承がある。
宮古の2カ所の国名勝の追加指定を受けて県教育庁の諸見里明教育長は「今後は宮古島市が当該名勝の適切な保護と保存、管理を行い、公開、活用等を図っていくことを期待する。県教育委員会としても今後とも、市の文化財保護行政に対し支援を行っていきたいと思っている」とコメントした。
下地敏彦市長の話 ありがたい事。東平安名崎は日本の都市公園100選にも選ばれている。半島だけでなく、周辺に点在する岩や生息する貴重植物なども含めて特異な地域。追加指定で宮古島の特徴ある地域としてみんなが見に来てくださると思う。八重干瀬についてはサンゴの保全という事がさらに守られる。今後はサンゴを痛めないような仕組みを考えないといけない。そうすれが観光施設としてもっと生きてくると思う。