快適な職場環境づくりを/メンタルヘルス初級セミナー
西里対策促進員が講演
メンタルヘルス初級セミナーが19日、市中央公民館で開かれた。福祉関係者ら約80人が参加し、うつ病などのメンタルヘルス不調(精神・心が健康でない状態)にならないような快適な職場環境づくり、不調に気付き必要に応じて医療機関につなぐ体制の確立に向け知識を深めた。
主催は宮古労働基準監督署、労働者健康福祉機構沖縄産業保健総合支援センター、県労働基準協会宮古支部、宮古島商工会議所。
同監督署の南隆功署長は「業務に関係があるメンタルヘルス不調者は労災の補償対象となる。沖縄県内における過去10年間の精神障害の労災請求件数は78件、認定29件(うち自殺請求6件、認定4件)と増加している。また事業主が安全配慮義務違反として民事上の損害賠償責任を問われる例も出ている」と指摘した。
その上で「今年8月に宮古労働基準監督署が行った健康づくりアンケート結果を見ると、468事業場からの回答でメンタルヘルスの取り組みは26%と低い。メンタル不調による休業者は7人、退職者は10人が存在している」と語った。
また「メンタル不調者は、まじめで責任感がある優秀な人材が多く、休業や退職することは、企業にとって大きな損失となる。職場においては、休職者が出てから対応するのでは遅く、予防がとても大切」と強調した。
講師に保健師でメンタルヘルス対策促進員の西里えり奈さんが招かれ「メンタルヘルス不調の予防と早期発見~不調のリスクは、いつでも・どこでも・誰にでも~」と題して講演した。
西里さんは「15人に1人がうつ状態・うつ病になる可能性があるとされる。うつ病の原因はまだはっきりしない。風通しの良い職場環境で予防と早期発見が重要だ」と述べた。
支援サービスを無料で提供しているセンターへの問い合わせは、沖縄産業保健総合支援センター(電話098・859・6175)、宮古地域産業保健センター(電話0980・73・0222)へ。