不妊治療に渡航費助成/市議会一般質問
難病支援の枠拡大/来年度から実施
特定不妊治療で沖縄本島での治療が必要な人に対し、宮古島市は2015年度から「難病患者等の渡航費支援」の枠を拡大させ、不妊治療が行える医療機関での受診治療に際し、渡航費の助成を行うことを明らかにした。開会中の市議会(真栄城徳彦議長)12月定例会の一般質問で、亀濱玲子氏の質問に対し下地敏彦市長が答弁した。
市の調査によれば現在、県内で不妊治療の渡航費助成を行っている市町村は渡嘉敷村、座間味村、南大東村の3村。特定不妊治療は宮古島市内で治療できる医療機関が存在せず、沖縄本島にある7カ所の特定医療機関での治療しか行えない。
市はこのような状況を踏まえた上で、市の状況調査を行ったところ、特定不妊治療の実績は13年度で34件あったことが分かった。
特定不妊治療を必要とする人は、市内でも年々増加する傾向にあり、新年度から同治療に対しても渡航費助成を行うことを決めた。
市議会終了後、下地市長の明確な答弁を受けた亀濱氏は「大きな前進だと大変喜んでいる。不妊治療に関しては医療費助成も必要だと思うが、行政理解の第一歩だと高く評価したい。宮古に住む若い世代に希望を与えるもので、少子化の進む宮古にとっては、次年度から始まる助成措置は、若年層の定住促進を図るという観点からも必要不可欠なものだと思う」と話した。
このほか、市議会一般質問では上地廣敏氏が同難病患者等の渡航費支援について、「交付要綱の改正による拡充について、宿泊費などを含めたさらなる拡充策を図ることができないのか市長の見解を聞きたい」と質問した。
これに下地市長は、15年1月から特定難病疾患の指定数が56から110に、また、小児慢性特定疾患が514から705になることを説明した上で、「その動向を見極める必要があり、実態数を把握する必要がある」とし、「実態把握を行った後に、拡充策が図られるよう検討していきたい」と答弁した。