カツオノエボシ被害急増/健康危機管理対策連絡会議
14年度最多で今年も3件
2015年度第1回宮古福祉保健所管内健康危機管理対策連絡会議が23日、宮古福祉保健所で開かれ、昨年度から同所管内ではカツオノエボシの被害が急増していることが報告された。会議には医療機関や関係機関の代表者らが参加し、同所管内における健康危機管理のあり方や中東呼吸器症候群(MERS)発生時の対応などの議題についても意見を交換した。
同所管内における海洋危険生物の発生状況では、過去5年間で月別の被害発生数では85%が6~9月の4カ月間に発生していることが示された。
2014年度の居住地別被害発生数では、県内が36%で県外が56%。約6割が県外となっている。また、注意喚起のポスターを見たことがあるについての問いには県外の7割が「見たことがない」としている。
14年度の被害発生状況では、カツオノエボシが13件で最も多く、次いでクラゲ類の9件、ハブクラゲ6件、オニヒトデ2件などとなっている。
また、今年度も6月末現在ですでにカツオノエボシによる被害は3件発生している。
カツオノエボシは、外洋性のクラゲで強風時などに大量に沿岸に押し寄せることがあるほか、海外では死亡事故も発生している。
山川宗貞所長は「被害の未然防止のためにも特に子供たちは長袖のラッシュガードを着ることも有効な手段。さらに、ハブクラゲなどの侵入防止ネットも設置するだけでなく日々の管理が大切」と述べた。
被害防止に向けた今年度の取り組みについては、ポスター、リーフレットの配布▽ビーチでの被害防止対策状況調査▽ビデオ標本の貸し出し-などを実施するとしている。
同会議は、管内の健康被害の発生に備え平時から管内関係機関との情報交換を行い、迅速、適切な即応体制を確保するために保健所が設置している。
ラッシュガード 伸縮性のある素材でつくられた水着の一種で、肌を覆い紫外線やクラゲなどの有毒生物から皮膚を保護するほか、体温の低下を防ぐ効果もある。