感染症胃腸炎が流行
「警報」発令中、拡大懸念
激しい下痢や嘔吐(おうと)、発熱を伴う感染性胃腸炎が宮古島市で流行している。原因はウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス)によるものが多く、宮古福祉保健所管内では現在、「警報」が発令中。学校では新学期が始まり今後、拡大が懸念されている。ノロウイルスに有効なワクチンがなく、それだけに予防対策が重要だ。同所では食事前やトイレの後は、せっけんでの手洗い、外出時はマスクの着用、こまめなうがいを呼び掛けている。
感染性胃腸炎は、定点医療機関当たりの報告数が52週(昨年12月21日~27日)で警報基準値(20人)を大幅に上回る31・5人となり、続く53週(同12月28日~1月3日)ではさらに増えて43人となった。
年齢別の感染者は、高齢者を含む20歳以上の大人が33人と最も多く、次いで1歳の10人、2歳の8人となっている。
宮古福祉保健所健康推進班の木村太一医師は「感染予防には手洗いが特に重要で、トイレの後や食事の前にはせっけんで手をきちんと洗ってほしい」と話す。
症状が重く食事や水分が取れない場合は重症化し、入院という事もあり得ることから、早めに医療機関で受診することを呼び掛けた。
感染、発症した際の対処として木村医師は「経口補水液を、こまめに飲むことで脱水症状を予防することができる」と説明。「ウイルスの潜伏期間は最大2日間なので、その間は家族全員で感染が拡大しないよう予防に努めることが大事」と話した。
「トイレを介して感染する割合が高く、感染者が使用した後は便座を拭いたり、タオルは共有しないなどの対策が必要」と語った。
宮古では過去10年間にさかのぼっても「警報」は発令されていないという。県内6カ所の保健所で、「警報」が発令されているのは宮古と八重山の2カ所となっている。