離島の情報格差を是正/海底光ケーブル工事着工
【那覇支社】県の離島地区情報通信基盤整備推進事業による先島エリア(沖縄本島・多良間島・与那国島・波照間ループ)と久米島エリア(沖縄本島・粟国島久米島ループ、座間味・渡嘉敷ループ)に敷設する海底光ケーブル整備工事の安全祈願祭(主催・NTT西日本)が8日、那覇港構内で行われ、翁長雄志知事や工事関係者らが玉串をささげるなどして工事の無事故を願った。多良間村の伊良皆光夫村長と宮古島市の長濱政治副市長も出席した。
県内離島地区と沖縄本島都市部との情報格差を是正し、高度な情報通信技術の利活用環境の形成を図る同整備事業は、2013年度に調査設計業務を終了し、14年度から16年度にかけて海底光ケーブルを沖縄本島~多良間島間440㌔、多良間島~与那国間200㌔など約915㌔を敷設する。10月までに完了させる予定。ケーブル敷設の総事業費は約89億円。国の沖縄振興一括交付金で8割、県が2割を負担する。
祈願祭後の直会で、翁長知事は「超高速通信の整備により、遠隔医療や教育、観光、医療福祉、防災など、さまざまな分野に施策の展開が可能となり、離島の産業振興や定住条件の整備に大きく貢献できると期待する」とあいさつした。
工事を受注したNTT西日本の熊本敏彦副社長は「皆さんの期待に応えられるよう、最後まで安全に納期内にしっかり仕事をやり遂げたい」と述べた。
ケーブル敷設船「すばる」の船内見学を終え、伊良皆村長は「離島には情報格差があったが、光ファイバーがつながることによって格差も縮まり、新しい事業も展開できるのではと期待している」と話した。
県では▽地震、台風など災害に強い情報通信基盤の構築▽民間事業者による安価な高度通信サービスの提供▽離島地区へのコールセンター誘致の促進による経済・雇用効果▽離島振興や定住条件の整備-の効果を期待している。