「判断できない」と結論/陸自駐屯地問題
市情報公開審査会が答申
沖縄防衛局(防衛省)から宮古島市に提出された「陸上自衛隊駐屯地建設事業」に関する計画書・協議書一式について、市の不開示判断に対して審査をした「市情報公開および個人情報保護審査会」(会長・饒平名正也弁護士)は13日、下地敏彦市長に審査結果を答申した。内容は「本件対象文書を市が保有していないことから当否を判断することはできないとの結論に至った」とし、この問題を巡る当局の手続きについては、改善を求める文言も記された。
平良庁舎で行われた答申では、饒平名会長から下地市長に答申書が手渡された。今後、市では答申内容を吟味した上で、市としての見解を申し立てた団体に文書で送付するとしている。
この審査会は、宮古島市が市民団体2団体から請求された同計画書・協議書開示について「不開示」の判断となり、両団体からの「異議申し立て」を受けて、開催された。
これまでの経緯としては、2団体からの異議申し立てを2月5日と2月26日に受け付けているにもかかわらず、当局側が同審査会会長に諮問したのは大幅に遅れて4月8日となっていた。
この間に、沖縄防衛局が対象文書の事前協議を取り下げ、市の説明では4月6日に対象文書を防衛局に返還。諮問時点では、市が文書を保有していない状況となっている。
答申文では、「市において本件対象文書を保有する段階で、条例の定めに従い、当審査会に速やかに諮問していれば、審査して、その結果を市に答申し、市も本件異議申し立てに対する決定をすることができたが、審査の前提となる行政文書自体を市が保有していないことにより、不開示決定の当否についてこれを判断することはできない」と結論づけている。
さらに、答申文では「異議申立人に対して同文書不存在を通知していないことや、異議申し立てに対する当審査会への諮問に時間を要したことなど、市の対応には改善すべき点がある」と指摘した。
この判断を受けて、開示請求団体の一つ「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」の石嶺香織共同代表は「文書を保有していなかったことが原因で開示できないとなっているが、市が防衛局に返却していることに疑問を感じる。市が開示したくないために返却したのかとも思える。市の不手際で諮問を止めたことについて、改善すべきと記しているが、これに対して市から私たちに対して謝罪なりがあるのか、このまま不利益を覆ったままでは納得できない。このことに対しての対応求めたい」との見解を示した。