大福への陸自配備 「防衛省あきらめていない」
千代田は地権者と協議中/赤嶺衆院議員の質問で見解
防衛省の宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、同省は大福牧場周辺への駐屯地建設について「現時点で、あきらめていない」との見解を持っていることがわかった。同地については、下地敏彦市長が「水道水源への影響はないとは言い切れない」として「候補地として認めない」との見解を示している。また、千代田カントリークラブへの配備についてはすでに用地取得に向けて地権者と協議しているという。
これは、先月19日に赤嶺政賢衆院議員(共産)と、防衛政策局防衛計画課の担当者とのやり取りの中で明らかになり、1日に行われた市民4団体の合同会見で、上里樹市議がその内容を発表した。
大福牧場周辺への配備について防衛省側は「現地点で、大福牧場をあきらめたわけではない。市長の発言を含め総合的に検討している」との見解が示されたという。
また、千代田カントリークラブについては「前沖縄防衛局長が千代田については進めていくと説明したところ、市長からは特段何もなかった。防衛省としては用地取得に向けて、地権者と話をさせてもらっている」と説明したという。
これまでの取材で、沖縄防衛局は大福牧場を候補地として断念するかについては明言を避けている。
また、千代田についてはこれまでの取材で「使っていくことになるので、用地取得手続きに入る」と明言しており、候補地ではなく、場所として決定しているとの見解を示している。
この見解については、下地市長は当初、同局と同様の見解であるとしていたが、その後に行われた市議会一般質問で「私は千代田がOKと言ったわけではない。防衛省が千代田でやりたいといっているだけ。配備の内容、訓練の仕方、そういうのが出てきて初めて関係法令で適合しているかで判断することになる」との見解を示した。
千代田については、市としての判断がまだ示されないまま、防衛省側は土地取得に向け、地権者と協議を進めている状況となっている。
市民団体の合同会見では▽宮古島・命の水・自衛隊配備を考える会▽止めよう「自衛隊配備」宮古郡民の会▽宮古平和運動連絡協議会▽てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会-の4団体と上里、新城元吉両市議らが同席した。
市民団体からは「市長は『認めない』としながらも、防衛省は大福を『あきらめていない」と明言している。これは来年1月の市長選に向けて地下水問題を争点から避けるためのシナリオ。千代田についても用地取得を黙認している状況で、これは配備について防衛省に白紙委任を与えた状況になっている」と述べた。