住民投票実施など審査/総務財政委
陸自配備陳情きょう採決
開会中の市議会9月定例会は13日、各常任委員会が開かれた。前日に引き続き付託議案や市民などから提出された陳情書などを集中審査した。総務財政委員会(嵩原弘委員長)では、宮古島市への陸自配備の是非を問う住民投票の実施や、防衛省に対し配備計画の説明会の早期開催を要請するよう市議会に求めるなど、陸自配備に関連した陳情書の内容を審査し、各委員がそれぞれ意見を述べた。審査は同日で終了し、14日に討論と採決が行われる。
てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会(楚南有香子ほか6人)から提出された「宮古島市への自衛隊駐屯地建設計画及び陸上自衛隊配備計画について、住民投票の実施及び実現のために住民投票条例策定委員会の設置を求める陳情書」で、濱元雅浩氏は「市議会は宮古への陸自配備は容認するという明確な意思を表明している」と話し、住民投票の実施を市議会が先導して提案することに疑問を呈した。
その上で濱元氏は「市議会に求めるのではなく、住民の直接請求として提案し、議会はそれをどうするかという議論を進めていくという方法が望ましい」との見解を示した。
21世紀新風会の新里聡氏と前里光恵氏は、自衛隊配備についての最終的な判断は、これまでも市議会で述べてきた「住民投票で決めるべき」とする考えを改めて強調。陳情書の内容には一定の理解を示した上で、「住民が直接請求という住民投票に持っていく方法を考えていくべきではないか」(新里氏)、「(陳情書に明記された)『住民投票条例策定委員会の設置を求める』とした文言は余計かなと思う」(前里氏)とそれぞれ話した。
上地廣敏氏は陳情書で「有識者・市民を含めた住民投票条例策定委員会の設置を求める決議をしていただきたい」との文言を指摘。「条例を制定するのに、有識者や市民を網羅して作成したという記憶はない」と述べ、否定的な考えを示した。
國仲昌二氏は、陳情書の中の「自衛隊駐屯地建設計画、陸上自衛隊配備計画について、詳細が明らかにされていない」という箇所を強調し、「判断材料がない中で、住民投票は時期尚早ではないか」と慎重な考えを述べた。
自衛隊配備計画の住民投票について下地敏彦市長は、「国の専権事項であることを踏まえると、なじまない」などと議会でたびたび答弁している。
そのほか審査が終了し、14日に採決される陳情書(継続含む)は島尻信徳野原部落会会長から提出された「千代田カントリークラブへの陸上自衛隊駐屯地建設及び配備計画について、配備計画説明会の早期開催並びに市議会において計画の是非が判断されるまでの間、防衛省による用地取得等に関する全ての手続きを中断するよう市議会として防衛省に要請する陳情」など-計8件。