岸本氏、市長選を辞退
野党 立候補者選び振り出しか
来年1月22日投開票の宮古島市長選挙で、翁長雄志県政と連携し「オール沖縄」を掲げる野党勢力の候補者選考委員会(下地学委員長)が候補者として決定し、擁立を打診されていた医師の岸本邦弘氏(55)は27日、宮古毎日新聞社の取材に「今回の市長選には出ない。私は出来る範囲で(市長選を)サポートしていきたい」と述べ、辞退する考えを明らかにした。下地委員長は同日、「本人から直接聞かなければ対応できない。選考委を振り出しに戻すのか、(選考委に上がっていた)奥平一夫氏にするかは私自身の判断ではできない」と述べるにとどめた。
岸本氏は、三つの「市民有志」から市長候補として推薦を受けていた。
25日の選考委で出席者17人(欠席4人)が全会一致で岸本氏を候補者にすることを決定。26日には、非公開で下地委員長が岸本氏に選考委の決定を報告するとともに、市民有志からの推薦状を手渡した。
それより前に、岸本氏は記者団に「候補者選定委で決定されたということは聞いていない。推薦する人たちがいるということは知っていたが、それは誰か、またその内容も分からない」などと述べ、「判断材料がない」としてコメントを避けた。
岸本氏は27日の本紙の取材にも「選考委の報告よりも先に報道で知った。相手(奥平氏)もいることだし。新聞に出す前に、まずは知らせてほしかった」と話した。
「(市長選を辞退するという)返事を延ばせば延ばすほど、迷惑を掛ける状況になる」と語り、早急に下地委員長に伝えていく考えを示した。
市のごみ問題や水問題などで市民運動のリーダー的存在を発揮してきたことから、市民有志などから「市長にふさわしい」と推薦されていることに対しては「ありがたいことだが、市長選に出るために活動してきたわけではなく、準備もしていない」と強調。その上で「私自身は、今の状況で市長選に出ることは自分の今のベースを変えることになり無理、困難」と話した。