尖閣漁船対応体制を強化/海上保安部
巡視船艇数が4倍へ/宮古島
宮古島海上保安署が今月1日、宮古島保安部に昇格した。保安部開所式が15日行われ、第11管区海上保安本部の大根潔本部長と同保安部の久留利彦部長が「宮古島海上保安部」の看板を設置した。保安部への昇格で、現在所属している巡視船艇3隻に加え、今年度末までにPS型巡視船(180㌧型)3隻が配備予定で、定員も陸員が4人から19人、船員が51人から99人に増員され、尖閣漁船対応体制が強化される。
保安部昇格は宮古島、尖閣諸島周辺海域での外国船の不法操業取り締まり強化が背景にある。1972年10月1日に平良海上保安署が開設され、44年後の今月1日、宮古島海上保安部に昇格した。
2017年度末までにはさらに同型巡視船3隻の配属が決まっている。また18年度末までには、さらに同型船3隻の配備も予定されており、同年度末には巡視船艇は現在の4倍に当たる12隻が配備される予定。それに伴い定員も約200人に増員される。新たに配備されるのは、いずれも規制能力強化型巡視船(PS型、180㌧)。今年度末までに配備されるPS型巡視船は伊良部長山港がバース(停泊場所)で、今後、同港に船艇用品庫などが整備される予定。その後配備される巡視船3隻も長山港がバースに予定。
2012年の国有化以降、急激に中国公船の領海内侵入が増えているという。今年8月には中国漁船とともに公船が接続水域や領海内に入って来るという事案が発生した。
保安部の久留部長(2等海上保安官)は「12年から14年まで増加傾向にあった。8月の急激な増加などで今月13日までに、既に昨年度の数を上回る隻数を警告、退去させている。これまで同様、引き続き緊張感を持って外国漁船などに対応する」と今後の巡視船の展開、活動方針を述べた。