配備反対の声多く/陸自説明会
不安の声広がる
「信頼できない」-。18日夜の陸自配備に関する住民説明会。参加した多くの市民が防衛省の説明に疑問を投げ掛けた。防衛省と下地敏彦市長とのやり取りの矛盾を追及し、抑止力に対しても異論を唱えた。野原地区の住民は「住民への影響は考えないのか」と訴えた。当局説明に理解を示す意見はほとんどなかった。
説明会に参加した市民は防衛省の発表で約170人だった。前回6月の説明会より180人少なく、会場には空席が目立った。
てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会共同代表の石嶺香織さんは、配備候補地が千代田に決まった経緯を問いただした。「防衛省と市長の説明に矛盾がある。防衛省はうそをついたのか」と追及すると、防衛省側は「個別の意見交換の内容をつまびらかにするのは適当ではない」と具体的な回答は避けた。
石嶺さんは反発。「こんなふうに隠し事があるから信じられない。実際に配備されたらどうなるのか。撤回を求める」と述べた。
宮古島・命の水・自衛隊配備を考える会代表の岸本邦弘さんは「自衛隊が来ても絶対に大丈夫だと言えるのか」と安全確保に関する防衛省の考えを聞いた。
防衛省は「戦争の惨禍を繰り返さない。宮古島だけでなく南西諸島全体の防衛体制をつくり抑止力を効かせていきたい」と述べた。
千代田周辺の野原部落に住む仲里成繁さんは、候補地を決めた調査項目の開示を求め「住民への影響はどうなるのか」と問うた。防衛省は「文書の開示ということになると、文書の中の個人情報とか、公にできない情報を精査しなければならない」と述べ、情報公開制度の活用を促した。
結果として、意見のほとんどが陸自配備に反対する声だった。一部住民は「配備計画白紙撤回」と書いた横幕や「撤回」のプラカードを掲げて抗議した。