陸自関連書類、公開へ/情報公開審査会
市の「不開示」主張退け/市長「速やかに公開する」
宮古島への陸自配備計画で、市民団体が求めた地下水審議会、学術部会の議事録や報告書などの書類が近く公開される。市は「不開示」としていたが、諮問を受けた市情報公開及び個人情報保護審査会が4日、市の主張を事実上退ける答申書を提出した。これを受け下地敏彦市長は「速やかに公表したい」と明言した。
陸自配備にかかる地下水審議会、学術部会の議事録や報告書並びに防衛局からの12項目の回答書類の公開を求めていたのは、「てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会」。市は、これらの書類を公開することによって「不当に、市民の間に混乱を生じさせるおそれがある」(市情報公開条例7条4項)などとして不開示決定を行っていた。
この決定を受け、てぃだぬふぁの会は行政不服審査法に基づく審査を請求。市情報公開及び個人情報保護審査会(伊東秀胤会長)が諮問を受けて審査を行った。
結果、市が不開示の理由とした「市民の間に混乱を生じさせるおそれ、または特定の者に不利益をおよぼすおそれがある」との主張は認められないとした。
答申書には市の主張を論理飛躍、抽象的などと指摘する記述が散見した。「防衛や軍事、外交の専門家ではない学術部会の委員の報告書が公になれば、市民の間に混乱を生じさせるおそれがある」とする市の主張に対しては「おそれが生じることについての具体的な事実の主張立証がなされていない以上、客観的かつ具体的な危険性、可能性があるとまでは言えない」との見解を示した。
総括では市の主張を「抽象的に止まるものと言わざるを得ない」とし、事実上市の情報公開のあり方を疑問視する答申となった。
この答申を受けて下地市長は「答申に基づき速やかに開示したい」と述べ、近く請求があった関係書類を公開する方針を示した。
てぃだぬふぁの会の石嶺香織共同代表は「正当な判断をいただきとても安心している」と話した。一方で7月の審査請求から今日に至るまでの時間経過を振り返り、「市は情報公開の判断能力を失っているのでないか」と疑問を呈し、市民が求める情報の速やかな開示の必要性を訴えた。