「認可できぬ」と結論/陸自関連資料公開
大福配備で学術部会
宮古島への陸自配備計画で、市は9日午前、市民団体が求めた地下水審議会および学術部会の議事録等の関係書類を公開した。学術部会の議事録では、当初防衛省が計画していた旧大福牧場への陸自配備は「認可しない」と結論付けていたことが示された。配備を認める意見はなかった。
公開された資料は第2回地下水審議会、第3回と第4回の地下水審議会学術部会の議事録。そのほか関連する資料も開示された。公開を請求していた「てぃだぬふぁ島の子の未来をつくる会」の石嶺香織共同代表らが受け取った。
旧大福牧場への配備をめぐって注目された学術部会の議事録では、第3回の会合時から「ここから外してどこかに建設してほしいという思いはある」「この立地に反対し得る科学的根拠を学術部会として示す必要がある」など配備に否定的な委員の意見が目立つ。情報不足を問う声もあった。
第4回の会合では、計画する図面の詳細を説明できない防衛省側の説明にいら立ちをにじませる委員の発言も記されている。
この会合で、委員の一人は「水道水源地下水流域にかからない場所を新たに選択する余地はないか」と求めているが、防衛省は「難しい」と応じなかった。
結論として、配備に伴う油脂や薬物等の地下漏出が懸念されることや水道水源流域であること、仮に攻撃対象となった場合に地下水地質構造の破壊や水質汚染が周囲に起こり得ることが想定されるとし、「予防原則的にこのような施設を水道水源流域に設置することは認められない」とする方針をまとめている。