サンゴ白化 八重干瀬で70%超
宮古島周辺は68%/高水温影響、被度も減少
八重干瀬におけるサンゴの平均白化率が70・1%に及ぶことが環境省の調査で分かった。平均死亡率は68%。一部では、サンゴの病気の一つに挙げられるホワイトシンドロームが確認された。宮古島周辺のサンゴにおける平均白化率は69%だった。サンゴの被度もそれぞれ減少した。
白化率は、「モニタリングサイト1000サンゴ礁調査」の2016年度結果速報で分かった。環境省が全国約1000カ所に設置したモニタリングサイトのデータを集計した。
高水温が原因とみられる白化現象は、奄美群島から八重山諸島にかけて広い海域で確認された。
調査範囲において、50%以上の白化率を示したサイトは8地点。宮古島周辺と八重干瀬の白化率は70%前後の高い数字となった。
石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁海域では、90%以上の白化が確認されている。
白化によるサンゴの平均死亡率は前年度の調査結果を大幅に上回った。前年度の調査で事例がなかった八重干瀬では68%という高い死亡率が出ている。
宮古島周辺の死亡率は30%にとどまるが、実態はこの数字以上が死亡しているとみられる。調査結果に昨年9月時点のデータが混在しているためだ。調査を担当した宮古島市の梶原健次さんによると、本年度のサンゴは10月以降に死亡するケースが多いという。このため、9月の調査時には生きていたとしても、その後に死亡したサンゴが少なからずあるとみている。
調査地の海底に占める生きたサンゴの面積の割合となる被度も減少した。宮古島周辺は前年度の27%から18%に、八重干瀬は35%から9%までダウンした。
八重干瀬で確認されたホワイトシンドロームも懸念材料だ。感染症の一種で白化と同じようにサンゴが白くなる病気だが、海水温等の条件次第では回復する白化現象と違い、ホワイトシンドロームにかかると壊死して回復しない。
梶原さんは「例年より発生の割合が多い」と話しており、注視が必要だ。
サンゴの白化現象は高水温が原因と考えられ、防ぐには温暖化と水質汚染の防止が必要とされる。
宮古島周辺では、昨年7月下旬から9月上旬にかけて、ほとんど30度を超える水温が観測されている。