クーラー 全学校に/宮古島市
新年度から3カ年計画/子供の教育環境向上へ
宮古島市立の小、中学校全校に、クーラーを設置する事業が動き出す。宮古島市が2017年度から3カ年で全校の普通教室に設置する方針を固めた。購入予定台数は約500台。国の補助事業を活用する調整を続けており、各教室へのクーラー設置は18、19年度に集中する見通し。快適な室温を確保し、子供たちの教育環境を向上させる。
普通教室にクーラーの設置を求める声は多く、特に保護者や学校側の要望が強い。夏場になると上昇する室温や、年間を通して高い湿度の影響で十分な教育環境が保てないという。
こういった声を受けて宮古島市が決断。昨年12月から動き出し、今は国の大規模改造事業を活用するための調整を続けている。
教育委員会によると、クーラーの購入費は休校や統廃合の経過をにらみながら概算で6~7億円を見込む。国の補助率は30%と高くなく、残りは全額単費負担となる。
工事費や設置後の電気料金、メンテナンスを含むとさらに大きな経費を強いられるが、19年度末までには全校に設置する計画だ。
将来的にはクーラーや照明をコンピューター制御で点けたり消したりする自動管理システムを導入し、電気の無駄遣いを防ぐ。
下地敏彦市長は2日の施政方針表明で「小中学校の普通教室への空調機器の設置に取り組む」と明言。自身の公約に掲げた。
ただ、17年度当初予算に関連費用は盛り込まれていない。市教育委員会総務課によると、補助事業の調整が付き次第、補正予算で対応する。初年度は実施設計が中心になるため、実際にクーラーを設置する作業は18年度以降となる。
3日の市議会3月定例会議案質疑で、市教育部の仲宗根均部長は「県と調整している。市としては国の補助の決定を受けて、(17年度から)3カ年計画で取り組んでいく」と答弁し、19年度末までに順次設置していく考えを示している。