「陸自来たら婦女暴行起こる」
石嶺市議がフェイスブックに投稿/批判殺到受け削除、謝罪
宮古島市議の石嶺香織氏(36)が自身のフェイスブック(FB)上に「陸上自衛隊が宮古島に来たら、絶対に婦女暴行事件が起こる。軍隊とはそういうもの」などと投稿し、全国から批判する書き込みが殺到した。その後、石嶺氏はFB上で釈明し、投稿を削除。13日には宮古毎日新聞社の取材に「事実に基づかない表現だった。おわびして撤回する」と謝罪した。自衛隊関係者からは「自衛隊に対する侮辱的発言だ」などと批判の声が上がり、法的措置も視野に入れた対応を取る方針を示している。議員辞職を求める声も上がっており石嶺氏は「私自身は、宮古島に基地を造らせたくないという気持ちがある。それを実現するために頑張りたい」などと述べ、辞職しない考えを明らかにした。
石嶺氏が9日に投稿した内容は、陸自が米国で海兵隊と訓練をしているニュースを取り上げ。陸自がカリフォルニアでの演習に参加した際の写真も添付した上で「海兵隊からこのような訓練を受けた陸自が宮古島に来たら、米軍が来なくても絶対に婦女暴行事件が起こる」とした。
さらに「軍隊とはそういうもの。沖縄本島で起こった数々の事件がそれを証明している。宮古島に来る自衛隊は今までの自衛隊ではない」などと続けた。
この投稿に批判が集中したことを受け、石嶺氏は「私の言葉足らずな表現から、意図するところとは違うさまざまな誤解を生んでしまった」と再度投稿し釈明、謝罪したが、再び批判が殺到したため、この投稿も削除した。
石嶺氏は13日、本紙などの取材に、「沖縄本島で米軍による事件や事故が多発していることへの強い不安と、陸自が海兵隊の訓練を受けていることを結びつけ、不適切な表現をしてしまった」と謝罪した。
議員辞職の声が上がっていることについては、約1分間の沈黙の後、口を開き「表現に不適切な部分があったことは認めるが、自衛隊の方を侮辱したり差別する気持ちがあるわけではない」と強調。その上で「私自身は宮古島に基地を造らせたくないという気持ちと、宮古の女性と子どもたちが安心して暮らしてほしいという気持ち、自衛隊の方たちが精神的に大きな負担を強いられるような訓練をしてほしくないという気持ちを持っている。この三つの点を実現するために頑張りたい」と述べ、議員を続ける考えを示した。
石嶺氏の投稿を受け、宮古地区自衛隊協力会(野津武彦会長)などは、12日に会合を開き、今後の対応を協議した。
野津会長は13日の本紙の取材に「自衛隊に対する侮辱的発言だ。黙って見過ごすわけにはいかない」と述べ、法的措置も視野に今後の対応を検討する方針を示した。
全国の宮古島出身隊員は陸・海・空合わせて275人。その家族で構成している宮古地区自衛隊家族会の池村英三会長は「家族として侮辱された感じ。議員は発言に責任を持つべきだ」と話した。
防衛省が進めている宮古島市への陸上自衛隊配備計画では部隊の人員規模は700~800人の予定。
石嶺氏は、宮古島市への陸自配備反対や命の水を守ることなどを公約に掲げ、今年1月22日に行われた市議会補欠選挙で7637票を集め初当選した。
石嶺氏の投稿を巡っては、市議会事務局に10日と13日にあわせて約25件の内容を批判する電話のほか、市民からの相談などを受け付ける市民生活課には10日だけで3件のメールがあったという。