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行雲流水
2017年6月10日(土)9:01

【行雲流水】(クオリティ・ペーパー)

 エリート階層を読者とする質の高い新聞(世界大百科事典第2版・デジタル)をクオリティ・ペーパー(高級紙)と定義づけている。質の高い新聞とは?政治、経済、国際問題を重点的に報道し発行部数は少ないが社会的な影響が大きな新聞ということのようだ

▼日本で発行される新聞にはクオリティペーパーといえるものはないといわれている。なぜ日本の新聞はクオリティといえないのか

▼昨今の政治論争を報道する新聞、テレビやソーシャルメディアをもとにクオリティの意味を考えてみた。そこから見えてきたのは報道する側の思想・信条によって国会での本来あるべき議論が大きく歪められているのではないか。特定の新聞、特定のテレビは大衆の関心をひくためとしか思えないような報道内容や編集構成だったりしている

▼このことは読者や視聴者を惑わしてしまい判断することを妨げているばかりか大衆への迎合、あるいは扇動とも受け取れる。このような既存メディアの姿勢にたいしSNSは面白いほどの反応を見せる。報道の大衆化といったところだ。総じて日本の報道機関はポピュラーということのようだ

▼報道の大衆化は必然的に興味本位の話を煽情(せんじょう)的に報道してしまう。国会で野党と政権側との間で激しい確執となっている「森友学園」や「加計学園」にかかわる論争がそうだと思える

▼今国会では国際条約にかかわる重要法案の審議が最大の懸案事項であるはずだが肝心な法案審議をそっちのけにした野党と公平であるべきマスコミがひとつになって森友や加計学園問題で政権側を責め立て国会を混乱させている。これでは日本のマスコミにクオリティを期待できない。

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