原産地を表示せず販売/高野海ぶどう組合を県が調査
ベトナムや久米島から仕入れた海ブドウの原産地をラベルに表示せず、宮古島産と一緒に販売したとして県は25日、高野海ぶどう生産組合(宮國泰男組合長)の現地調査を実施した。調査内容は本庁に報告され、産地偽装に当たるのかどうかが判断される。宮國組合長は本紙取材に「表示しなかったのは悪かったと反省している」と認めたものの、「偽って販売したという認識はなかった」と述べ、意図的な行為は否定した。現在は改善されている。
同組合は組合員8人で設立。市が高野漁港内に建設した海ブドウの集出荷施設を無償で借り、今年4月から同施設で販売を開始した。
関係者によると、同組合は今年4月中旬ごろから6月までにベトナムや久米島から海ブドウを仕入れたが、商品ラベルの原材料名欄に、原産地を表示せずに観光客らに販売したという。
販売されたベトナムおよび久米島産は全体のほぼ半分に上り、宮國組合長は「生育不良で生産量が少なかったため仕入れた」と説明した。
原産地を表示しなかったことについては「途中で気付いた。ベトナム産を宮古島産として偽り、販売したという認識はなかった」と話した。
調査は、同組合関係者の「情報提供」を受け、宮古農林水産振興センター農林水産整備課漁港水産班が実施。非公開で内容も明らかにしなかったが、宮國組合長から、組合設立の目的や原産地を表示しなかった経緯などを聞いたと見られる。
同水産班は、今回の調査を県農林水産部水産課に報告。同課は、国の指針に基づき判断する見通しだ。