増産の取り組みなど発表/キビ・甘蔗糖関係検討会
沖縄、鹿児島の関係者参加
沖縄県と鹿児島県のサトウキビ関係者らによる2017年度サトウキビ・甘蔗糖関係検討会が26日からJAおきなわ宮古地区本部大ホールで開催。日程はきょう27日までの2日間で、生産者や製糖工場、農協、関係機関の担当者ら約250人が参加。初日は各県での増産や生産安定化への取り組み紹介や農林水産省からの情報提供、講演などが行われた。
同検討会は参加者が意見交換を行い、生産性向上や担い手育成などの課題解決への共通認識を醸成することを目的に、毎年両県持ち回りで開催している。
検討会開催に先立ち、農畜産業振興機構の宮坂亘理事長が「今回のテーマは増産に向けた生産安定化の取り組みについて。今検討会の成果が皆さんの今後の取り組みの一助になればと思う」とあいさつ。宮古島市の下地敏彦市長は「さまざまな意見や提案を元に、今後のサトウキビ増産に向けた取り組みについて検討してほしい」と呼び掛けた。
サトウキビ増産に向けた生産安定化の取り組み紹介では沖縄県生産者を代表して「上野地区さとうきび生産組合」の川満長英組合長が適期肥培管理による単収向上の事例を、「豊農産」の辺土名忠志代表理事は農家からの作業受託による適期肥培管理の取り組み事例を報告した。
沖縄県と鹿児島県の担当職員はそれぞれの生産状況や増産に向けての取り組みを紹介。農林水産省の担当職員は糖価調整制度の仕組みや日本と欧州連合(EU)との経済連携協定交渉での砂糖に関する大枠合意内容などを説明した。
講演では東京大学大学院総合文化研究科の永田淳嗣准教授と東京農工大学大学院農学研究院の新井祥穂講師が「農業構造論からみた沖縄のさとうきび農業」について語った。講演終了後には優良生産者ほ場などの現地視察も行われた。
きょう27日は研究成果発表などが行われる。