陸自弾薬庫に反対/保良部落会
臨時総会開き決議/住民「地域発展を阻害」
城辺の保良部落会(砂川春美会長)は10日、同公民館で臨時総会を開き、議題の「陸上自衛隊の保良鉱山への弾薬庫配備に反対する決議案」を賛成多数で可決した。出席者からは「地域の発展を阻害する」「農業や観光に影響が出る」などの意見が出た。今後、住民らで委員会を設置し署名活動を継続するほか、周辺地域にも呼び掛けて反対の声を広げる方針だ。
臨時総会は、下地博盛さんら15人が連名で砂川会長に開催を要請していた。
砂川会長は冒頭で「重大事項であり、住民一人一人が考えていく必要がある」と述べ開催の意義を話した。
臨時総会には127世帯のうち、41世帯の代表者が出席。委任状42世帯分と合わせて83世帯(約65%)と過半数を超え、成立した。
賛成多数で可決された決議案では「マスコミ報道で弾薬庫の配備を保良鉱山に計画していることが判明した」とした上で「有事の際に攻撃目標となることは明らかで、近くで暮らす住民にとっては危険極まりない施設」と指摘。鉱山から近くの民家までは200~250㍍しか離れていないことも挙げ「まさしく目と鼻の先というのが適切な表現」だとした。
「私たちの暮らす地域は今後、農漁業や観光で発展していく可能性の富んだ地域」と強調。「弾薬庫の配備は人々の生命、財産を脅かし、地域発展の阻害要因でしかない」とし、計画の撤回を求めている。
決議案採択の前に行われた意見交換で、70代男性は「保良のイメージを壊す。保良の発展にそぐわない。断固反対する」と声を上げた。
本土から移住した男性は「近くに住んでいる人たちへの影響を考えてほしい。もっと人里離れたところに造るべきだ」と話した。
平良に住む郷友の男性は「万一爆発して、危険物が飛んできたら大変だという単純な気持ちで反対だ」と述べた。
「自衛隊は災害などで人命救助をするなどしており、自衛隊そのものに反対するものではないが、弾薬庫を持ち込むのは反対」という男性もいた。
一方で、「弾薬庫の設置がまるで決まったかのようだが、まったく聞いていないしその動きもない」などと慎重な意見もあった。
これに対して下地さんは、防衛省が上野野原と千代田地区での住民説明会の翌日に、旧千代田カントリークラブでの陸自駐屯地建設に着手したことを挙げ「国や県が何らかの事業をする場合に、白紙の状態で地域住民に打診することはない。ある程度の計画が煮詰まった時にしか説明しない。弾薬庫配備計画は、軍事面の気密性をもっていることからなおさらだ。地元での説明会は大部分の課題が処理された後になる。これをもって地域が動き出すのは手遅れになる」と話した。
決議案の採択は、出席者の挙手で行われ、ほぼ全員が採択に「賛成」した。
今後、下地敏彦市長や小野寺五典防衛相にも文書で送付する。