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【特集】新年号
2018年1月1日(月)8:59

クルーズ船専用岸壁 2020年4月運用開始へ

14万㌧級の接岸可能に/初年度は250回寄港予定


クルーズ船受け入れ岸壁の完成イメージ図(提供=平良港湾事務所、エム・テック)

クルーズ船受け入れ岸壁の完成イメージ図(提供=平良港湾事務所、エム・テック)

 平良港が2017年1月に国土交通省から「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する港湾に選定され、クルーズ船運航会社と連携し、漲水地区に市が14万㌧級の船が接岸できるクルーズ船専用岸壁を、運航会社は旅客ターミナルビルを建設することが決定。20年4月からの運用開始を目指し17年9月に起工式が行われた。運用初年度は寄港回数250回、26年度には310回を目標としている。

26年度には310回を目指す

 「官民連携による国際クルーズ拠点」とは、自治体とクルーズ船運航会社が連携して、自治体がクルーズ船受け入れ岸壁を、運航会社は旅客ターミナルビルを建設して国際クルーズ拠点を整備するもの。運航会社には岸壁の優先利用が認められる。

 宮古島市は、アジアや世界で半分のシェアを持つクルーズ会社グループの「カーニバル・コーポレーション&PLC」(カーニバル社)と連携。中国発着クルーズの主要拠点寄港地を目指すととともに、将来的には下地島空港の活用などを視野に、飛行機とクルーズ船を組み合わせた発着港へ発展させることを目標に掲げている。

 市が漲水地区北防波堤に14万㌧級のクルーズ船が接岸できる水深10㍍、延長370㍍の専用岸壁と1㌶の旅客船用ふ頭用地、旅客船ふ頭から臨海道路荷川取線までを結ぶ約1・2㌔の臨港道路を、カーニバル社が旅客ターミナルを整備する。供用開始は2020年4月を予定していて、初年度は寄港回数250回、26年度には310回を目標に設定している。

 岸壁などの整備事業は国の直轄事業で、港湾整備部分の費用は85億円が見込まれている。うち5%程度を市が負担する。

 市では国際クルーズ拠点の整備により、台湾からの観光客は30万人、中国から20万人を予測。経済効果は約156億円を試算している。

 整備事業の起工式は17年9月30日に開かれ、内閣府沖縄総合事務局の能登靖局長や島尻安伊子沖縄担当大臣補佐官、浅輪宇充国土交通大臣官房技術参事官、カーニバル・アジア社のポール・チョン副社長、下地敏彦市長らが参加。官民の代表がくわ入れを行って工事の安全を祈願。出席者は大きな拍手を送って港湾整備事業の起工を祝った。

 同日、起工式に伴う宮古島市主催のシンポジウムがマティダ市民劇場で開催され、チョン副社長が基調講演を行った。その中でチョン副社長は平良港への出資については「カーニバル社が今回ターミナルビルの建設に投資する提案は最初の一歩にすぎない」と発言。その上で「宮古島がクルーズ船の戦略的な寄港地として成功するかどうかは私たちの投資だけが重要ではない。互いに理解し協力し合いながら同じ目標に向かって進むことが大切」との考えを示した。

 クルーズ船受け入れ拠点港に選定されたのは平良港のほか、横浜(神奈川)、清水(静岡)、佐世保(長崎)、八代(熊本)、本部(沖縄)の6港。そのうち平良港が最も早く工事に着手した。

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