足湯が観光客らに人気/海宝館で実証
景色も温浴効果高める
宮古島市が温泉水を使った足湯の実証・調査施設が、地元の人や観光客の人気スポットになっている。冷え込む日は順番待ちが出るほどで、中には毎日のように入りに来る地元の人もいるという。眼下に広がる雄大な景色が、温浴効果を高める要因にもなっている。
市は昨年11月に、城辺保良の天然ガス試掘井戸から採取される天然ガスと温泉水を使い足湯や農業、発電の実証・調査をスタートさせた。
足湯は温浴事業の可能性を探るもので、城辺保良の海宝館の敷地内に12人ほどが利用できる施設を設置。水温は40度ほどに保たれ、誰でも無料で入れるようにした。
温度調整などを管理している同館の幸地和夫さんによると、1日平均70~80人が利用。多いときは100人前後が訪れる。
利用者は8割が地元の人で、中には畑仕事を終えた後、連日入りに来る農家もいるという。
「服を脱ぐことなく、足を湯に浸すだけで疲れが取れる。景色の良さも効果をさらに高めているのではないか」と話している。
観光客にはあまり知られていないせいかレンタカーでの利用客は少ないが、観光バスで同館を訪れる団体客には喜ばれているという。
神奈川県から来て「足湯」の看板を見て入ったという岩崎正則さん(48)、千秋さん(45)夫妻は「温度もちょうど良く気持ち良い。何と言っても景色が素晴らしい」と絶賛。2人とも温泉好きで、全国各地を巡っているが「海が一望できる場所はここしかない。できれば、足だけでなく全身で浸かりたい」と話した。
幸地さんによると利用客から「タオルや飲み物も販売してほしい」などといった要望があるという。
市は今後の展望として▽事業化の可能性に向けた取り組み▽温泉水の宅配事業を含めたリゾート施設との連携-などを目指す。
足湯の利用時間は午前9時~午後4時30分まで。年中無休で3月まで利用できる。午後4時30分以降は、安全対策のため湯を抜く。