ＮＨＫの戦争に関する番組が放送された。そのひとつは、「インパール作戦」である

▼日本軍は、イギリス軍の拠点インパールの攻略を目指して、食料の補給を度外視、川幅６００㍍の大河と２０００㍍級の山々を４７０㌔も進行するというものだが、誰一人その地を踏むことはできず、３万人の将兵が命を落とした。撤退路に倒れた兵士が多く、その道は白骨街道と呼ばれた

▼ひとつは、満州にあった日本軍の７３１部隊のことで、細菌戦に使用する生物・化学兵器の研究を行い、ペストやコレラ、チフスや梅毒の菌を生体に注射、人体実験を行った。犠牲になった中国人は３０００人以上である。この非人道的実験を推進したのは東大、京大、慶応大学等出身の学者たちであった

▼このように、戦争ではその悲惨さは想像を超えてエスカレートする。何としても戦争は避けねばならない。ところで今日、戦争が大国のビッグ・ビジネスになっていて、平和の維持を困難にしている

▼平和学の父と言われるヨハン・ガルトゥングは書く。「米国は最も好戦的な国であり、第２次大戦後、３７カ国で、２０００万人以上を殺害している」。琉球弧を含む第一列島線は、中国封じ込めの米国のエアシーバトル構想の一環である

▼戦争では敵の基地を叩くことが常道である。基地故に戦争の犠牲になることも、他国民を不幸にすることも、沖縄は拒否する

▼自然の美しさ、異種に寛大な文化の独自性、位置の優位性を生かして、アジアに開かれた平和で豊かな島こそが沖縄にふさわしい。