賃貸物件稼働率/宮古島市99・5%で県内2位
借り上げ需要増で
おきぎん経済研究所
【那覇支社】おきぎん経済研究所(東川平信雄社長)は、このほど2017年の県内賃料動向ネットワーク調査を発表した。このうち賃貸物件の稼働率では、宮古島市が99・5%(前年比2・0ポイント増)となり、県内10地区のうち2位。トップは石垣市の99・7%(同0・1ポイント減)だった。
宮古島市での稼働率が高いことについて、同研究所は「建築工事による借り上げ需要が増加していることが要因」と分析している。石垣市は、海上保安庁の増員に伴う需要が続いていることが高稼働率の理由という。
那覇市は、生活環境や交通利便性の良さなどから幅広い層に人気で、新都心地区、同地区以外ともに97・5%となり、高い水準を維持した。名護市と沖縄市では新築物件が減ったことで稼働率が回復傾向となる一方、うるま市は物件の供給過剰感が続いて稼働率が最も低くなった。
同時に発表された2016年度の貸家新設住宅着工戸数でも、宮古島市は前年度からの伸び率が120・%増で県内11市中トップとなった。着工戸数は404戸で11市中9位。石垣市も対前年度比75・4%増の805戸で伸び率2位となるなど、先島地区での高い伸び率が目立った。
着工戸数が最も多かったのは、那覇市の2680戸(前年度比5・8%増)。次いで、宜野湾市922戸(同49・4%増)、沖縄市893戸(同36・4%減)、うるま市885戸(同17・1%減)などと続いた。
宮古島市の部屋・タイプ別の賃料は、1R~1LDKで新築が4万9400円(前年比2・3%増)、中古が4万4900円(同0・7%減)。2K~2LDKは新築が6万4300円(同0・8%増)、中古が5万1200円(同4・7%減)などとなった。
同研究所は、大型商業施設など生活利便性の良さから、西里・下里・久松地区などの人気が高いほか、県外からの移住者増で海が見える物件などの需要が堅調としている。一方で、北学区は築古物件が多いことなどから、賃料が低下しているという。
この調査は、おきぎん経済研究所が不動産情報サイト運営会社からのデータ提供と聞き取りで実施。聞き取り対象は、県内の主な賃貸物件管理会社17社20店舗で、物件カバー率は15・0%。賃料には、共益費や駐車場代などの付加サービス費用は含まれない。