伊良部高校 来年度から募集停止/県教委が正式決定
平敷教育長「学習環境の観点から」
【那覇支社】県教育委員会は12日、県立伊良部高校について、2019年度の入学生から募集を停止することを正式に決定した。募集停止は、実質的な廃校に向けた措置で、伊良部高校は現在の在校生が卒業すると同時に、1984年以来の歴史に幕を下ろすことになる。
募集停止の決定後、平敷昭人教育長は「今年度の入学生は7人と激減している。在校生が減ると学習教育活動で厳しい面が出てくる。生徒の学習環境の整備確保という観点から、このまま(学校として)継続するのは厳しい」と述べ、募集を停止せざるを得ない状況を説明した。
今後については「生徒が在籍する間は学校として存続し、(在校生は)原則として伊良部高校で学ぶことになるが、交流授業など、学ぶ場所についは、生徒や保護者らと意見交換しながら早急に進めていきたい」などと述べた。
伊良部高校は、伊良部島で唯一の高等学校。84年4月に宮古高校伊良部分校として開校し、86年4月に伊良部高校として独立した。
男子バレー部が全国大会に出場するなど脚光を浴びたが、近年は伊良部島の人口減少や、伊良部大橋開通で宮古島の高校へ通う生徒が増えたことなどにより、恒常的な定員割れが続いている。
12年度に策定した県立高等学校編成整備計画では、生徒数が回復しなければ19年度から募集停止するとしていた。連携型中高一貫校の実施などの活性化策も、生徒数回復には至らなかった。
県教育委員会は、今年度に入学生が激減したことを受け、伊良部地域の全中学生と保護者にアンケートを実施。その結果、伊良部高校希望者は各学年1人か2人と少数だったという。
今月3、4日の両日、伊良部高校の生徒の父母や関係機関に対し、2019年度の入学募集を停止する方針の説明を行っていた。