県から市に権限移譲へ/農地転用許可
一般質問で市長が明言
県の許可を得ることが必要な農地転用許可について、宮古島市が県から事務の許可権限を移譲される方向で準備を進めていることが18日、分かった。市に移譲されると、これまで申請から許可まで長期間を要していたのが大幅に期間短縮される。同日行われた市議会(佐久本洋介議長)9月定例会一般質問で、砂川辰夫氏の質問に下地敏彦市長が答弁した。
下地市長は「今まで、県に申請すると(許可されるまでに)時間が掛かってしまうことがある。県もその権限は、市に移譲して良いという基本的な考えを持っている」などと述べ、すでに県内七つの自治体では運用されていることを説明した。
その上で下地市長は「市の総合的な発展を考えた場合、農地のより良い利用の仕方は、市が一番現状を知っている」などと述べ、県から権限を移譲されることで、事務手続きなどがスピーディーに行われることに期待を示した。
下地市長は現在、市農業委員会と協議して準備を進めているとしたが、運用開始時期については明らかにしなかった。
質問した砂川氏は、県議会一般質問で座喜味一幸氏が「土地利用の変化に対し、農地の転用などが阻害要因になっていると多くの企業からの声がある」などと指摘して、県に改善を求めたことや、企業から「県の農地転用許可審査基準が実情に適していない」などとして適切な執行を行うよう市に陳情したことを挙げ「地域振興の実情を把握しているのは、宮古に住んでいる住民である。地域に密着した主体的な土地利用の推進を図ってもらいたい」と述べ、早期の対応を求めた。