パーントゥ11月にも登録/ユネスコ無形文化遺産に
全国の来訪神 10件一括で
1年先送りされていた国連教育科学文化機関(ユネスコ)への無形文化財遺産候補になっている「宮古島のパーントゥ」(保持団体・島尻自治会・野原部落会)を含めた8県10件の伝統行事「来訪神(らいほうしん)仮面・仮装の神々」は11月にも登録される見通しだ。再申請した8県の関係者らは、今後開催される予定のユネスコ政府間委員会の審議に期待を寄せている。
宮良保島尻自治会長と渡久山隆野原部落会長らは先月27日、東京都の航空会館で開かれた2018年度来訪神行事保存・振興全国協議会会議に参加した。
宮良会長は「国の関係者から『ユネスコ無形文化遺産への登録は間違いないだろう』との説明があった。その言葉を聞いた時は、とてもうれしかった」と今後の登録を心待ちしている。
「宮古島のパーントゥ」は、島尻部落の「パーントゥブナハ」と野原部落の「サティパロウ」の総称。いずれも国の重要無形民俗文化財。
パーントゥはお化け、鬼神の意味で、海の彼方からやって来る来訪神とされる。異形の神が集落内を巡り、地域とその人々の災厄を祓い、福をもたらす神として歓迎される。
10件は次の通り。
宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)▽甑島(こしきじま)のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)▽男鹿(おが)のナマハゲ(秋田県男鹿市)▽能登(のと)のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)▽遊佐(ゆざ)の小正月行事(山形県遊佐町)▽米川(よねかわ)の水かぶり(宮城県登米市)▽見島(みしま)のカセドリ(佐賀県佐賀市)▽吉浜(よしはま)のスネカ(岩手県大船渡市)▽薩摩硫黄島(さつまいおうじま)のメンドン(鹿児島県三島村)▽悪石島(あくせきじま)のボゼ(鹿児島県十島村)