連携し廃油除去
陸自に災害派遣要請/宮古島市
高野漁港から城辺保良漁港にかけての東海岸で大量の廃油ボールの漂着が確認されたことを受け19日、総勢200人以上で大掛かりな除去作業が行われた。市や県の職員、宮古島海上保安部、航空自衛隊のほか、3月に配備された陸上自衛隊も初めて参加した。陸自の参加は市が県に要請。玉城デニー知事が災害派遣を要請した。除去作業は同日で終了。海保は同日午後5時現在の状況として「当部が認めた油状物は全て除去されたことを確認した」と発表した。
下地敏彦市長は同日午前、市役所平良庁舎で会見し、玉城デニー知事を通じて陸上自衛隊に災害派遣要請したと発表した。
市長は派遣を要請した理由として「廃油ボールの漂着で地元漁師、観光客、自然環境への影響が生じている」と指摘。「廃油ボールの回収・除去に伴う人員の確保、資機材を所有していない」と説明。ゴールデンウイークを控え、大勢の観光客が海岸を利用することから早期に実施する必要があるとした。
除去作業は吉野、新城、保良漁港北側、浦底の計4カ所の海岸で実施した。
このうち、吉野海岸では陸自70人、海上保安部20人、市観光商工課10人の約100人が参加。砂浜に漂着した廃油ボールをゴム手袋をして拾ったり、割りばしでつかみ取ったりしてすべて手作業で行った。
参加した陸自隊員は「除去作業は開始当初より慣れてきて、スピードも速くなり効率良く進んでいる。きょう1日で作業を完了できる見込み」と話した。
新城海岸でも約100人が除去作業を行い、保良漁港北側海岸では航自隊員らが実施した。
災害派遣要請に応えた宮古島駐屯地によると、派遣した部隊は宮古警備隊で約140人、車両約30台だった。
北海道から家族で観光に来ていた田村浩一さんは海岸の管理業者から、廃油ボール除去作業の説明を受け「『足に付着させないように気を付けて』と言われた。砂浜を歩くときは注意しているので問題はない」と話した。
地元の男性は「ゴールデンウィークに海岸が汚れていると、観光客に不快な思いをさせる。きれいになって良かった」と語った。