ミヤコカナヘビ、県天然記念物に/県教育庁 宮古諸島の固有種
【那覇支社】県教育庁は11日付けで、宮古島市に生息するトカゲの仲間「ミヤコカナヘビ」を県指定天然記念物に認定したと発表した。宮國博市教育長は「市固有のミヤコカナヘビが学術的にも高い価値があるとを認められ、大変喜ばしく感じている。市の貴重な生きた文化財となるので、今後も保存に努めていく」とコメントした。
ミヤコカナヘビは、全長が雄・雌とも約30㌢まで成長し、体長の約㌫を占める長い尾が特徴。宮古島、池間島、大神島、伊良部島、下地島、来間島に分布するが、生息数の減少により国と県の絶滅危惧種に指定されているほか、国内稀少野生動植物種でもある。
地理的に近い沖縄本島のアオカナヘビや八重山のサキシマカナヘビより、台湾や中国大陸の種と系統的に近いという特徴を持ち、宮古諸島の地史や陸生生物の成り立ちを考える上で高い学術的を持つ。
1970年代ごろまでは宮古地区で一般的に見られたが、開発による環境の変化や外来種のニホンイタチ、クジャクなどによる捕食で生息数が著しく減少したと考えられている。
平敷昭人県教育長は「ミヤコカナヘビは、地元では方言でクースファヤと呼ばれて親しまれている。今後とも、宮古島市と連携して文化財の保存と継承に努めていく」とコメントした。
県の担当者は「県の天然記念物に指定されたことで、一般の人に宮古独自の生き物であるミヤコカナヘビが大切な生き物と理解してもらい、保護につながれば」と期待を示した。
宮古島市での県指定天然記念物は、宮古馬やミヤコサワガニ、国仲御嶽の植物群落、東平安名崎の隆起珊瑚礁海岸風衝植物群落に続き、5例目。県全体では50例目となる。