長榮大明学大 サマーキャンプ開始
島の文化、歴史学ぶ/分校設置向け初の取り組み
長榮大学(台南市)と明治学院大学(本部・東京)は21日から宮古島市で「クロスボーダーサマーキャンプ」をスタートさせた。両大学の学生らが29日まで滞在し、講義や調査・研究、体験学習などに取り組む。島の文化や歴史も学ぶほか、下地島空港などの見学、狩俣小児童との交流会も予定されている。長榮大学宮古島分校設置に向けた初のイベントで、分校設置後も継続開催が予定されている。下地敏彦市長(代読)は「島での学習活動や滞在が文化的、国際的理解を深め良い将来につながることを期待している」と歓迎した。
市は昨年9月、長榮大学と国際関係を推進することを目的にした覚書を締結した。今回のサマーキャンプは覚書に沿ったもの。
同大は宮古島分校の設置に向け昨年11月、市役所城辺庁舎内に分校開設の準備室となる日本教育センターを開所。また、今年7月31日付で設置計画書を市に提出するなど準備を進めている。
サマーキャンプには16人の学生(長榮大10人、明治学院大6人)のほか、両大学の教職員7人が参加している。
市役所平良庁舎で行われた始業式であいさつした下地市長(代読・上地俊暢企画調整課長)は「宮古島が育んできた独自の文化や豊かな自然環境をぜひ拝見してほしい。下地島空港国際線ターミナルの開港、台湾など外国からのクルーズ船寄港増加など、振興発展を続けている観光産業の活気を肌で感じてほしい」と呼び掛けた。
長榮大学の管美燕秘書長は「歴史ある明治学院大学と、1000年先の未来へ向かうエコアイランド宮古島市と一緒にサマーキャンプを行うことは意義深い記念すべきこと」と強調した。
明治学院大学国際センターの三上耕一次長は「両大学がこのイベントを通じて、新しい一歩を踏み出すことを信じている」と期待した。
サマーキャンプに参加した蔡岳蒼さん(長榮大学翻訳学科3年)は「宮古は台湾に近く、食べ物もおいしいし景色もきれい。宮古の人たちと交流できることを楽しみにしている」、今井美緒さん(明治学院大学国際学科2年)は「景色を楽しむだけでなく、島の文化や歴史も学びたい。長榮大学の学生とも交流を深めたい」とそれぞれ抱負を話した。
学習内容は二つに分かれ「言語過程」では両大学の学生がぺアとなり互いの言語を学習する。「専門課程」では、フィールドワークにより島の文化、自然、生活などを体験する。
長榮大学 台湾南西部の台南市にあるキリスト教系の総合大学。10学部があり学生数は約1万人。外国人学生は約400人。現在28カ国153校と姉妹校を締結している。海外に国際協力校があり、沖縄の大学では沖縄キリスト教学院大学と提携している。