大規模地震想定し訓練/県、宮古島市、多良間村
2000人が本番さながら/「防災の日」意識高揚図る
県総合防災訓練(主催・県、宮古島市、多良間村)が1日、平良港トゥリバー地区や多良間小学校などで実施された。震度6弱の地震が宮古島で観測され、甚大な被害が発生したと想定。宮古島警察暑や市消防本部、自衛隊、宮古病院など100以上の機関から総勢約2000人が参加して、本番さながらの大規模な対処方法を展開し、自助、共助、公助による地域防災力の向上を図った。訓練は「防災の日」にちなんで実施したもので、宮古開催は5年ぶり。
被害想定は、2019年9月1日午前10時ごろ、八重山諸島南方沖150キロ付近の深さ2キロを震源とする地震規模マグニチュード9・0の地震が発生。宮古島で最大震度6弱の揺れが観測され、宮古島南西海岸や周辺離島に3~6メートルの大津波が到達したというもの。
訓練は午前の部と午後の部で構成された。
地震発生直後、県災害対策本部と市対策本部が設置された。午前10時5分、沖縄気象台は宮古圏域に大津波警報を発令。この発令に伴い、各地で津波避難訓練が実施された。このうち、伊良部地区津波避難施設(海抜12メートル)には約30人が緊急避難した。避難後、炊き出し訓練を行い試食した。
同11時すぎ、沖縄本島から自衛隊輸送機が下地島空港に到着。災害時に被災地に駆け付け、救急医療を行う災害派遣医療チーム(DMAT=ディーマット)などの関係者が次々と降り立ち、各訓練場所へ分散移動した。
住民避難、車両多重衝突事故で車両に閉じ込められた負傷者の救出と救助、家屋倒壊への対応、DMATチームによる救急医療などさまざまな訓練が続いた。津波による漂流者救助訓練も行われた。
県建設業協会の下地米蔵会長は、トゥリバー地区で訓練を視察し「全国の各建設業協会は、災害が起こった時は早く災害地に出向く。災害地での初期活動で、自衛隊がスムーズに活動しやすいように取り組んでいる」と感想を話した。