根間公園 用地交渉が難航/市議会予算決算委
買収できず不用額計上/広場整備計画に影響
宮古島市が進めている平良西里の「根間公園」整備計画で、用地の売買交渉が難航している。2018年度内に買収を完了する予定だったが、計画面積4筆のうち1筆を購入できていない。市は、仮に取得できなくても整備を進める方針だが、今年度予定していた広場の整備は20年度に持ち越される。9日に開かれた市議会9月定例会予算決算委員会で詳細が分かった。
根間地区の整備は長年の懸案事項だ。過去には「エコ公園」の整備が検討されているが、用地の買収にめどが立たずに停滞。市はその後、補助メニューで有利な都市公園整備事業に切り替えて計画を進めた。
現行計画で、根間公園は西里通りのコンビニエンスストア裏手に整備する。整備面積は0・21㌶。市民と観光客が集う交流拠点に位置付け、賑わいの空間の創出を狙う。箱物は建てず広場を整備し、イベントを開いたり、各種団体が活動したりする青写真を描く。
市によると、これまでに計画用地の3筆の取得は終えたが、残り1筆の交渉が難航しているという。
結果として18年度の取得は困難と判断し、決算書に必要経費1638万円を不用額として計上した。これに伴い、当初は今年度着工を予定していた整備も事実上次年度にずれる。
9日の市議会予算決算委員会では、濱元雅浩氏がこの件を取り上げて不用額計上の理由を聞いた。
下地康教建設部長が答弁し、「用地の1筆を買うことができていない」と交渉経過を説明した。今後の事業計画に与える影響を問う質問には「残りの3筆は購入しており、事業は止めるわけにはいかないと考えている。上物(広場)整備は従来活用してきた一括交付金を使って整備したい」などと答弁し、用地を購入できない場合でも広場整備を進める考えを示した。
当該用地は都市計画区域に指定されており、公園以外での使用には縛りが掛かる。市はこういった制限を地権者に説明しながら理解を得たい考えだ。下地部長は「まだ購入できていない残り1筆の購入に向けて努力を続ける」と強調した。