11年ぶりに飛来/オオハクチョウ
池間湿原に成鳥と幼鳥
県内では、極めてまれに飛来するオオハクチョウ(カモ科)の成鳥と幼鳥の2羽が14日、平良の池間湿原で滞在しているのが確認された。通常の渡りルートから迷って外れたとみられる。ハクチョウの仲間は家族の絆が強いことで知られ、滞在中の2羽は親子と思われる。
オオハクチョウは、ユーラシア大陸(ヨーロッパとアジアを合わせた大陸)で繁殖する。宮古島などはユーラシア大陸の東側に位置。2羽は繁殖地から移動中に迷い込んだ可能性が高い。池間湿原では1月初めに確認されたようだ。
オオハクチョウは雌雄ともに同色。成鳥は体色が白色。くちばしの先端は黒く基部の大部分は黄色。成鳥は全長140㌢、翼を広げると225㌢ほどに達し、畳の長さ(約180㌢)より長い。体重は10㌔を超える大型の水鳥。
幼鳥は全身が灰褐色。くちばしの先端から付け根にかけての色は、黒色、淡いピンク色、黄白色の3色。
宮古島での観察記録は2009年1月6日に池間小中学校裏側の貯水池で幼鳥1羽が初確認された珍しい鳥。今回の2羽の飛来は2例目で、合計3羽となり渡来記録を更新した。
池間湿原は県内最大の湿原とされ、面積は38㌶。11年11月に池間島鳥獣保護区として島全体が国の鳥獣保護区に指定された。
池間湿原には水草のイヌクログワイやフトイなどの群落が生えている。オオハクチョウは体の前半部を水中に突っ込んで、水草の茎や根などを採食していた。