大神海運、再スタート
地元企業6社が支援/生活航路安定へ資金注入
経営難が続く大神海運が地元企業の支援を受け、株式会社として再スタートを切っていたことが13日、分かった。大米グループなど地元企業6社が地域貢献の一環で融資し、必要な資金を用立てた。離島住民の生活航路を地元企業が守るという先進的な取り組みは内外で注目を集めそうだ。開会中の市議会3月定例会一般質問で、長濱政治副市長が平百合香氏の質問に答える形で明らかにした。
平良島尻-大神島という生活航路を持つ大神海運には、国、県、市のそれぞれが補助金を出して経営を下支えしてきた。だが、ここ数年は資金繰りに窮し、市に支援を要請していた。
これを受け市は、県や離島航路運営資金の融資先などと意見交換を重ね、支援策を検討してきた。こうした中、大米グループと共和産業、先嶋建設、宮古環境保全センター、とみや商会、パラダイスプランの6社が同航路の継続支援に名乗りを上げたという。
それぞれ大神海運の株を購入して資金を注入。経営の安定化を図りながら同航路の継続につなげた。
市議会一般質問で長濱副市長は「赤字を解消できる状態になっている」と答弁した。大神海運が使用する客船の老朽化が進んでいることにも触れ、「新たな船の確保も課題だが、地元事業者の支援で運航会社の経営が安定すれば、造船に向けての取り組みも進み、航路の安定運営につながると期待している」と述べた。
新生大神海運の社長には大米グループで南西建設社長の与那城敏氏が就いた。本紙の取材に与那城氏は「地元6社がこういう形で支援をするというのはありがたいこと」と賛同企業に感謝し、「この大切な離島航路を止めるわけにはいかない。そういう意味ではこうして貢献することができてうれしい。大神の住民の皆さんが、毎日安心して利用できるように船を運航させたい」と話した。