恒久平和の実現を/不戦の誓い新たに
新型コロナで規模縮小/市戦没者追悼式・平和祈念式
沖縄戦が終結してから75年目を迎えた「慰霊の日」の23日、宮古島市全戦没者追悼式および平和祈念式(主催・市など)がJTAドーム宮古島で挙行された。新型コロナウイルス感染症の影響により、参列者を8人に限定するなど規模を縮小。過去に例のない状況の中、戦没者のみ霊を慰めて不戦の誓いを新たにした。下地敏彦市長は「平和の尊さを後世へと伝え、恒久平和の実現に積極的に取り組む」と平和メッセージを読み上げた。
参列者は市長、副市長、教育長、各地域遺族会の会長5人の計8人。特別招待や来賓、一般、児童生徒の参加はなしとなった。例年ならば児童生徒により作文が読み上げられるが、今年は見送られた。
会場は「3密」を防ぐことを目的に、当初予定していた市未来創造センター多目的ホールからJTAドーム宮古島に変更された。参列者や式典関係者らも全員マスク着用で行われた。
下地市長は式辞で「犠牲になられた3000人余の尊い命。戦火に倒れた方々、戦後の飢えや病に倒れた方々の無念さを思うと、戦争の残酷さと悲惨さが万感胸に迫り、痛恨の情を禁じ得ない」と哀悼の言葉を述べた上で、「式典を通して悲しい歴史を二度と繰り返さないという決意を新たにした。恒久平和の実現に向けてより一層努力する」と誓った。
市戦没者遺族会の川満俊夫会長は「75年の歳月が流れ、戦争の記憶が薄れている。日本がたどった歴史を繰り返し学び、平和に思いをなすことは極めて重要」と強調し、「あの忌まわしい戦争の惨禍を繰り返してはいけない。み霊の犠牲を無にしないため、ぬくもりある社会づくりに努めたい」と決意を込めた。
最後は式典関係者が献花を行い、式典は約30分で終了した。