宿泊需要 9月回復見通し/国内客の動き基に予測
コロナ対策と経済両立へ/市観光推進協
新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ宮古島市における国内客の宿泊需要が、今年9月にも回復に向かう見通しだ。日本観光振興会やJTB、データ取引市場等が連携して運営する「観光予報プラットフォーム」が前年と同水準に戻ることを予測している。今年上半期前年比で146億円減少した観光消費額の挽回に向け、新型コロナ対策を両立させた経済活動が一気に加速するものとみられる。これらの予測は13日に開かれた市観光推進協議会で示された。
今回の観光予測は、オンラインを含む宿泊予約状況等を基に数値化された。ただ、新型コロナ第2波などは考慮していないため、今後の社会動向によっては数値が大きく変動する。
宮古島市の入域観光客は新型コロナの影響で激減している。今年上半期(1~6月)の実績は前年比32万1045人減の17万6794人。観光消費額は前年比146億1600万円マイナスの126億7700万円と落ち込んでいる。
こういった弱含みが続く観光需要に回復の兆しが見え始めている。観光予報プラットフォームの予測によると、「宮古島市において今年9月以降に前年同水準まで国内客の宿泊需要の回復が見込まれている」とされている。比較対象の那覇市の数値を見ると回復時期は12月ごろ。宮古島市は那覇市に先駆けて宿泊需要が回復する見通しで、これと連動して経済活動も活発化するものとみられる。
島内の観光需要は、県境をまたぐ国の移動自粛要請が解除された6月19日から上向いている。週末の観光地はにぎわい、市内の居酒屋にも客足が戻った。
7月に入って、この傾向は強まっており、今回の観光予測を裏付ける動きと受け止められる。盛り上がる需要を受け、観光関連産業は新型コロナ感染防止と経済活動を両立させながら事業の立て直しを急ぐ。
市観光推進協議会の会合では、これらの予測を踏まえて▽島内産業を回すためには、入域観光客数の回復が必須▽入域観光客数回復の前提として第2波への備えが必要▽観光協会が定めたガイドラインの内容を十分に理解し、予測される回復に向けて準備を進める-という総括を共有した。