コロナ下の連休始まる
市内行楽地ににぎわい/観光振興へ 新様式実践
首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染が広がる中、4連休が23日にスタートした。ビーチなど市内の各行楽地は多くの観光客でにぎわい、宿泊需要が9月に回復するという観光関連指標の予測が現実味を帯びてきた。一方で感染リスクの高まりを懸念する声も強い。感染防止と経済活動の両立を図る新しい行動様式の実践が始まった。
県境をまたぐ政府の移動自粛要請が全面的に解除された6月19日以降、本土と宮古島を結ぶ航空路線の利用者は増加傾向にある。
こうした人の動きと連動して島内の宿泊需要も盛り上がりを見せる。宮古島観光協会によると、8月は前年の6~8割、中には9割近くまで戻ることが予想される施設もあるという。
日本観光振興会を初めJTB、データ取引市場等が連携して運営する「観光予報プラットフォーム」が示した予測によると、9月以降に前年と同水準に戻ることが見込まれている。
このさなか、4連休がスタートした。市内ビーチでは、シュノーケリングなどのマリンレジャーを楽しむ観光客が多く見られた。
ビーチで営業活動を行う事業者は「きょうから少し客は増えたが、それでも例年に比べると半分ぐらいだと思う。今後に期待したい気持ちもあるが、新型コロナウイルス感染症に対して不安な気持ちもある」と複雑な心境を明かした。「観光客にどこから来たのかなど全員に聞くわけにもいかないので、自分たちで何とかしないといけない。従業員にもマスクの着用や消毒などは徹底するように話している」と引き締めた。
海水浴を楽しんでいた30代女性は「前から予定を立てていて、きょう宮古島に来た。新型コロナウイルス対策としては、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保などはしていきたいと思う」と話していた。
海中の観察施設が人気の宮古島海中公園にも客足が戻ってきた。クルーズ船が来ていたころと比べると3~4割にとどまるが、「連休に入って増えた」(同公園スタッフ)という。
施設内の「3密」を避けるため、状況によっては入場する人数を制限。マスクの着用を求め、手指、施設内の消毒にも余念はない。「感染防止対策を取ってお客さんを迎えている。地元のお客さんにも、観光客にも安心してもらいたい」などと万全な対策を強調した。
連休を利用して大阪から訪れた4人家族は宮古島が大好きだという。3度目の来島で、今回初めて海中公園を訪れて透明感のある海と熱帯魚を観察した。39歳の夫婦は「海が好き。連休を楽しみたい」とリラックスした様子で話していた。