全郵便局に食品箱設置/フードドライブ
子どもの貧困対策で/日本郵便、市、社協が協定
広く市民に寄付呼び掛け
子どもの貧困対策で、日本郵便沖縄支社と市、市社会福祉協議会が9日、各家庭で余っている食べ物を集めて寄付する「フードドライブ」の協定を結んだ。同日付で市内にある全12の郵便局にフードボックスを設置し、広く市民に食品の寄付を呼び掛けた。集まった食品は市社協が回収し、市の子どもの居場所施設や生活困窮世帯に配布する。
フードドライブとは、家庭で余った食べ物を学校や職場などに持ち寄り、これらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンク等に寄付する活動を指す。
日本郵便によるフードドライブは県内3例目。昨年7月にうるま市、今年7月には沖縄市で始めた。うるま市では、開始1年で1㌧を超える食品が集まるなど反響は大きいという。
宮古島市内の12の郵便局に設置するフードボックスで集める食品の条件は▽未開封▽賞味期限が1カ月以上残っている▽常温で保存が可能▽製造者名が記載されている▽米は精米日から1年以内-などとした。
食品例として、小麦粉やホットケーキミックスなどの粉物のほか、インスタントラーメンやそうめん、パスタといった乾麺、ワカメや昆布、切り干し大根などの乾物も受け付ける。そのほかにも菓子やレトルト食品、食用油、缶詰類でも食品の寄付を求めていく。
協定書の調印式が宮古郵便局であった。3者代表が調印を済ませてフードドライブをスタートさせた。
日本郵便沖縄支社の比嘉明男支社長は「新型コロナウイルス感染拡大は子育て家庭をも直撃し、子どもたちの食事だけでなく、保護者も含めて生活に困窮する状況がある」と厳しい現状を指摘した。その上で「フードドライブの取り組みは重要な支援になる」と期待感を示し、「地域の皆さまの寄付があってこその取り組みになる」と述べ、市民に理解と協力を求めた。
下地敏彦市長は「3者の連携を生かし、地域の力を借りて、子どもたちが夢や希望を持って成長していける社会の実現を共に創っていきたい」と話し、日本郵便の取り組みに感謝した。
市社協の饒平名建次会長も「相互に連携、協力していくことは、子どもの貧困対策をはじめとした困窮者支援のさらなる推進と地域住民の福祉に対する意識を高めることにつながる」と話し、活動の開始を喜んだ。