新市長に座喜味氏
「市政刷新」果たす/現職に2782票差で初当選
任期満了に伴う第5回宮古島市長選挙は17日、市内22カ所で投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人で前県議会議員の座喜味一幸氏(71)=社民、社大、共産、立民推薦=が1万5757票を獲得し、4選を目指した無所属現職の下地敏彦氏(75)=自民、公明推薦=に2782票差をつけ、初当選を果たした。座喜味氏は、長期にわたる現市政を批判。党派を乗り越え「市政を変えよう」と訴えて現職との一騎打ちを制した。新型コロナウイルス感染症拡大に歯止めが掛からない中、選挙戦は市政の「継続か」「刷新か」で争われたが、有権者は新しい市政を選択した。
市長選は、3期12年にわたる現市政への評価を最大の焦点に、新型コロナウイルス感染症対策、経済の回復、農林水産業の振興、子育て、教育、暮らしなど両氏の掲げた政策を柱に行われた。
選挙戦では、コロナウイルスの影響で大規模集会や握手などのスキンシップができず、街頭演説や選挙カーでの遊説活動を中心に展開せざるを得ない困難な状況下で、いかに有権者に政策をアピールできるかがカギとなった。
座喜味氏は、「市政刷新」を前面に掲げ、宮古の「オール沖縄」勢力と一部の保守系市議OBらで構成する「ワンチームみゃーく」を結成。党派を超えた連携を実現し市長選に臨んだ。
選挙戦では、現市政の公共工事を主体にした長期にわたる行政運営を批判。増大する市の借金など市の財政状況を指摘し、「市政を刷新して政治を変えよう」と訴えた。保守票や革新票に加え、無党派層からも一定の支持を得た。
また、公約に「コロナ克服なくして市の経済発展なし」を掲げ、事業者や低所得者を支援し経済の再起を図ろうと主張。新庁舎建設など、大型公共工事に係る発注方法や、膨大な事業費などに疑問を投げ掛けて「市民による市民のための市政運営を」と呼び掛けて「市政刷新」への流れをつくった。
下地氏は、新型コロナウイルスから宮古経済や市民を守ることを強調し、コロナ禍の混乱を避ける意味からも「市政を継続させ、安定した政治こそが重要」だと訴えたが及ばなかった。
市議会与党議員18人の支持、建設業界や観光・経済団体などからの支援を受けながら組織的な運動を展開したが、分裂した保守系への票の流れを食い止めることはできず、無党派層の支持も固められなかった。